導入事例

2018.08.24
株式会社エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ西日本

社会環境の変化に備え、「BPO×RPA×AI+"X"」の方程式に"DX Suite"を採用

株式会社エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ西日本
  • 会社名
    株式会社エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ西日本
  • 業界
    その他
対象帳票
各種申請用紙等

NTT西日本グループのシェアードサービス業務で培ったノウハウを活用して一般市場のアウトソーシングビジネスを精力的に取り組むNTTビジネスアソシエ西日本のBPO事業部。RPA「WinActor」導入を牽引してきたチームが、ナンバーワンのAI OCRプロダクトとして「DX Suite」を選定。“RPAの次なるテクノロジーソリューション”へと向かうBPOスペシャリストたちの、先進的なビジョンに迫ります。

AIやRPAを最大限活用することを通し、既成概念にとらわれず、既存業務を壊すことも辞さない抜本的な業務見直しを進める姿勢で、革新的な生産性・品質向上に踏み出していく — そうしたNTT西日本グループのBPOチームが描く、「BPO×RPA×AI+”X”」の方程式とは?

はじめに御社の事業内容についてお話をお聞かせください。

NTTビジネスアソシエ西日本は、 NTT西日本グループ企業の人事・給与、福利厚生、経理、さらには内部監査やコンプライアンスなど、一連の間接業務を実運用するシェアードサービス会社として、平成14年に発足しました。平成30年6月時点では、NTT西日本グループ約7万人のシェアードサービス業務を一手に担っています。また、そうした大規模なシェアードサービス業務での実績とノウハウを、グループ外部の一般市場でも活かすためにBPO事業を立ち上げ、現在は30社以上のクライアントから人事給与業務、経理業務を受託して業務を行っています。

社内に蓄積されていたシェアードサービス業務のノウハウを、NTTグループの外部に提供する業務を担当しているのがBPO事業部です。一般市場のお客様からのシェアードサービス業務に関するあらゆるご相談や要望を、我々BPO事業部が営業の窓口となり、一元管理を行っています。

NTTビジネスアソシエ西日本におけるシェアードサービス業務には、どのような特徴がありますか?

西日本エリアは中核市が点在しているため、グループとしての管理業務や人員配置も地理的に分散し、間接業務も必然的に手間のかかるものとなります。

そうした地理的な背景もあり、生産性向上と業務効率化のためのツールの導入に積極的に取り組んでいます。

現在日本でもっともメジャーなRPAツールのひとつに、NTTグループが開発したWinActorがありますが、貴社はその納入業務も幅広く展開されています。

現在、国内製品を代表するRPAツールとして広く使われているWinActorは、元々はNTTグループの社内業務を自動化するため、NTTアクセスサービスシステム研究所が開発し、NTTアドバンステクノロジ株式会社が商品化したものです。実際の運用面に我々を含めたNTT西日本グループが率先して取り組むなか、ユーザーインターフェイスや機能を実用化や製品化に耐えうるレベルまで高度化し磨き上げてきました。そうした流れを受け、当社でもWinActorを一般市場に普及させるべく2017年度から販売代理店として取り扱いをはじめ、西日本エリアのお客様への営業活動を行っています。

AI inside の主力製品であるDX Suite 導入の検討に至った背景をお聞かせください。

当社のお客様から、かねてより言われ続けてきたことがあります —— それは、デジタルトランスフォーメーションの推進やRPA導入に際しての「デジタルデータ化される前にこそ、より大きな問題がある」という声でした。

たとえば、小売店チェーン企業の店舗や、小規模な事業者ですと、パソコンはスタッフ1人に対して1台割り当てられていないのが現状です。そうした現場では、スタッフ各自にパソコンの使い方を教えるプロセス自体が非効率になることもあり、「紙への手書きによる入力」が、IT化が進んだ現在でも、データ管理のエンドポイントでの主流の作業形態となっているケースがあります。店舗や営業所を数多く保有する事業者には、デスクワーク主体の企業よりもはるかに大きなボリュームで、紙と手書き文字で取り交わされる業務が存在しているのです。また、こうした工程は、当面はなくなることがないでしょう。

このようなお客様の実状を前にして、我々はその膨大なアナログ領域での業務工程を、まず初めにデジタル化することができれば、入力されたデータをRPAをはじめとするデジタルのシステムに一気通貫に流し込むことができる と考えました。当社はWinActor導入に際する顧客への最適化において豊富なノウハウを有していますので、DX Suite とRPAの連携により、新たに大きな付加価値を生み出すことができます。

そこから、世間で使われているOCR製品の比較検討を2017年の夏以降、本格的に行うようになり、他社のプロダクトとともにAI inside の担当者にもコンタクトを行い、DX Suite の試験運用を始めるに至りました。

昨今、AI OCR領域のプロダクトは、AI inside よりも後発ながら、各社から製品が発表されています。他社の同種の製品と比較して、DXSuite を選定いただくまでに、どのような具体的なご検討や意思決定が貴社内で行われたか、お聞かせいただけますか?

2017年の当時、特に手書き文字が読める製品を集中的に探しており、国内で展示会に出展している企業の製品やサービスはおおよそすべてリサーチした上で、何社かの製品を実際にテストいたしました。テストを始めた当初は、AI OCR製品自体がまだ世に出たばかりということもあり、各社ともに識字率は横並びに近い印象もありました。

そのなかでAI inside のDX Suite を選定した理由としては、以下の二点です。
 1.担当者の応対の品質
 2.製品の使いやすさ

まず担当者についてですが、各社の製品を並行してテスト運用していくなかで、特にAI inside のチームは、当社からの要望に素早く対応しながら機能のアップデートにも迅速に取り組んでいます。そのような営業窓口とカスタマーサービスのレスポンスの高さを、私共では高く評価しています。

次に、DX Suite の製品自体の選定要因としては、何よりDX Suite のユーザーインターフェイスが非常に使いやすい点です。我々は、新しいツールの導入に際して、社内のスタッフが使うだけではなく、外部のお客様にも使いやすい製品であることを非常に重視しており、ユーザーインターフェイスはもっとも重要と位置付けています。この点も、DX Suite を選定するための大きな判断材料でした。

さらに、テストを始めた頃は各社横並びに近い印象もあった肝心の識字率でも、DX Suite は試験運用の最中にも読取精度が飛躍的に向上してきました。

2018年6月時点で、人間が判読できないような乱筆の手書き文字を除けば、ほぼ満足のいく精度を維持しています。

現在までお使いいただいて、貴社の顧客からみた利用可能性はいかがでしょうか?

現在、私共のもっとも重要な経営戦略に「AIやロボティクス技術を活用したデジタル業務改革」というものがあります。社内で育てた技術を外部に展開することを基本的な方針としていますが、AIの製品でも、自分たちがまず使い、そのなかから導入効果を実感できるものを探し出し、外部に展開していく姿勢を貫いています。

AIの技術自体が未だ成長過程にある現状では、日進月歩でアップデートされていく技術を一緒に磨き上げ、広くお客様にお届けすることのできるAI領域のパートナーを探す必要があると考えているなか、巡り会ったのがAI inside の製品でした。現在、既に実用に耐えうるAI製品としてDX Suite のご案内を進めていますが、当社の取引先には比較的規模の小さなお客様も多くいらっしゃいますので、そうしたお客様にも導入しやすい環境と手頃な価格帯でご提供できる点も、大きなベネフィットを生むと考えています。

他社製品はオンプレミス型が中心であるため予算の桁が上がる上に納期も大変長くなることに対して、DX Suite はクラウドですぐに実装できます。納入価格を抑えつつさらに納期も短い —— 当社のお客様の視点に立っても、使いやすいユーザーインターフェイス、価格、納期、それらを総合的に判断した結果、数あるAI OCR製品のなかで現時点ではDX Suite は、最上位に位置する製品であると評価しています。

具体的なご利用シーンはどういったものを想定していらっしゃいますか?

当社のお客様の多くは、現在でも、例えば社員の入社時には、家族情報、銀行口座登録、交通費などの各種申請を手書き書類で提出してもらい、その記載内容を、社内システム(人事・給与、その他業務システム)へスタッフが手動で入力しています。またメーカーのお客様では、全国の取引先からFAXで注文書が送られ、それを1点ずつスタッフが読取り用のパソコンを使って電子データへと変換していらっしゃるケースも多いです。こうしたお客様から受託するアウトソーシング業務のなかで、当社では、手書きの書類やファックス帳票をDX Suite で読取り、WinActorでシステムへ投入するという連携を行い、業務品質の向上と業務効率化を、同時並行させながら進めていく予定です。

DX Suite 導入に際して、貴社の担当者の皆さんからみた使い勝手はいかがでしたか?

2017年から本格的に機能検証を始めていましたが、利用当初は、読取テンプレートの作成で、傾き補正や読取位置の設定のためのパラメータが多く、外部の一般のお客様ではうまく利用できないのではないかと懸念されたこともありました。ただその後、とてもシンプルで使いやすいものへと飛躍的な機能改善が行われたため、現在では補正機能はほぼ自動で処理されますし、テンプレート作成も短時間で簡単に行うことができます。また、帳票の読取りもファイルをアップロードするだけで自動で読取りがされますし、エントリー機能での読取結果の最終チェックも、読取画像と読取った結果のテキストが並んで表示されるため、非常に見やすく使いやすいインターフェイスのなかで行うことができます。これらの特徴から、DX Suite は、我々のようなBPO事業者はもちろんですが、一般の利用者にとっても、大変に利便性の高い製品と捉えています。

たとえばスマートフォンは、説明書がなくても誰もがすぐに使うことができます。同じように、専門家にしか使えない複雑な製品よりも、誰でもがすぐに使えて満足できる製品であるということは、もっとも重要であると我々は考えています。

DX Suite のご利用に際して、AI inside のカスタマーサポート(CS)はどのように利用されていますか?

機能検証を始めた頃、パラメータの定義や読取精度をどのようにしたら良くなるのかといった問合せをカスタマーサポート(CS)の担当者へ行い、その都度、リアルタイムにご回答をいただき、時には電話等で直接ご対応をいただきました。また、機能改善の要望もいくつか提示しましたが、いずれも迅速な検討の上で対応いただき、大変満足しています。

貴社はDX Suite の販売代理店として取次代理店契約をしていただいています。現在までお使いいただいて、貴社のお客様への導入・応用の方法についてはどういったものを想定/予定していらっしゃいますか?

紙の情報がDX Suite により電子データ化されCSVファイルとして出力されることで、WinActorのインプット情報が整い、シナリオで基幹システム等への自動連携を設定できるようになります。そのため、DX Suite とWinActorをセットでご提案することにより、お客様のニーズに充分にお応えできるものと考えています。

DX Suite の取次代理店として現在営業いただいているなかで、貴社のお客様の製品への反応や評価、営業してまわった際の感触はいかがですか?

ICT関連のセミナーでDX Suite の展示を行いましたが、大変多くのお客様にご好評をいただいています。また提案したお客様からは「このような製品を待っていた」との評判も多く、読取テストの依頼を多数いただいています。

また営業担当者も、DX Suite とWinActorをセットで提案することでお客様の反応や引き合いが大きく向上すると実感していますので、DX Suite を積極的に提案することで、ビジネスを新たに広げていく計画を進めています。

WinActorの営業先のお客様には「RPAに入れる前の紙の書類がデータ化できないため、RPA自体の導入に進むことができない」という方も多くいらっしゃいます。デジタル化の一番最初の入り口にある「アナログな書類のデータ化」をDX Suite が解決することで、お客様のデジタルトランスフォーメーションも一気に加速してくると考えています。

DX Suite の導入によって、今後、貴社内での業務効率化は、どうした新たなインパクトが生まれてくるか、展望をお聞かせいただけますか?

社内業務としては、BPO業務でDX Suite を利用することがボリュームとしてはもっとも大きいものとなります。その次に、 お客様自身がDX suite を導入するほどでもないボリュームの書類のデータ化について、当社側でBPO業務として請け負い、DX Suite を利用しデータエントリー作業を進めるような利用シーンも想定しています。いずれにおいても、DX Suite の導入後には、飛躍的に作業の効率化が行われることでしょう。

また現在は、当社のBPO事業部のみで利用を進めていますが、DX Suite の精度と使い勝手がこれほど秀逸なものであれば、他の事業部への展開も可能と考えています。DX Suite を、社内のより多くの業務に適用していくことで、品質の向上と業務稼働の効率化を進め、ワーク・ライフ・バランスを促進するための有効なツールになると考えております。

貴社の強みや競争優位性をどのようにDX Suite が強化し、新たなビジネスの付加価値を生むとお考えですか?

当社の持つ強みと競争優位性は大きく2つあります。1つは、NTT西日本グループの膨大なボリュームのシェアードサービス業務の運用を通じた経験値。もう1つは、そのシェアードサービス業務の過程でさまざまな製品やサービスを取り入れてきている実体験に裏打ちされた「ツールへの目利き」としての知見です。そのため当社が扱うものと同じ製品やサービスを販売する代理店は他にも多数いらっしゃるなかで、実際のお客様にとって最適で、同時に人間的で使いやすいツールを選び抜くコーディネーションやコンサルテーションのプロセスにおいて、我々は特に高い価値を提供できると自負しています。

AI inside も「人に優しいデザイン設計」に注力していると伺っています。そうしたユーザー中心の思想で製品やサービスを提供していく姿勢は当社と共通するもので、使う人の立場に立った姿勢で事業を行うことを、我々は極めて重視しています。また実際の製品の導入に際する障壁の低さといった面でも、お客様が実際に求めているゾーンと、DX Suite とWInActorが組み合わさって提供できるソリューションのゾーンが、それぞれ合致している、そう認識しています。

今後、事業のコアとしてDX Suite を新たに取り扱っていくことで、 BPOに軸足を置きながら、 RPAのさらに次のステージに広がる課題解決に積極的に取り組むことで、お客様に新しい付加価値を提供していきます。

これだけICT化が進んでも、手書きやファックスの書類は山のように存在しています。当社の強みとDX Suite と組み合わさることで、WinActorなどRPA商材の価値は一気に高まります。これからは、AI OCRとRPAが連携したソリューションとして提供されることが、当たり前になってくることでしょう。そのため今後は、DX Suite を積極的に扱っていくことで、当社がお客様へ向き合う際の哲学やポリシーを、未来に向けて発展させていこうと考えています。

ここまでお話を伺ってきて、DX Suite を貴社が取り入れることで、貴社の事業ポートフォリオそのものも、これから変容していく可能性を感じています。2018年からNTTビジネスアソシエ西日本様がAI inside の取次代理店となることで、近い未来のビジネスはどういった姿になっていく展望をお持ちですか?

DX Suite を取り扱い始めることで、当社のビジネスのポートフォリオも変わっていく可能性は、たしかにあると思います。

元来、BPO業務には、閑散期と繁忙期のあいだの業務量に変動や落差が生じるなど、顧客それぞれに特有の「時間要因」に大きな影響を受ける特質があります。そのため当社のようなBPO事業者は、その繁忙期のピーク需要に合わせたリソースを常時確保しておく必要がありました。それに対し、今後、DX Suite が新たなBPO商材として立ち上がっていくことで、従来よりも細かな需要の変動に応じた精度の高い業務設計が可能となると捉えています。結果として、これまで対応し切れていなかったお客様のさまざまな潜在的なニーズに、柔軟にお応えすることができるようになります。

また、BPO事業部では、人事・給与とWinActorが2つの主力商材でしたが、今後はDX Suite によるAI OCRソリューションも第3の看板商材になると考えています。その際、DX Suite は新たに独立した主力商材でありながら、既存の主力商材の人事・給与とWinActorのそれぞれとも組み合わさった形態で営業展開することを計画しています。

今回のAI inside とのパートナーシップを出発点に、AIによる新たなソリューションを当社の強みや既存事業に組み合わせていくことで、さらなる第4・第5の商材を一緒に生み出していければとも考えています。

貴社のデジタルトランスフォーメーションの将来ビジョンをお聞かせください。

当社のミッションは「お客様に付加価値を提供し、経営課題を解決する」というものです。そのなかで、デジタルトランスフォーメーションは、AI・IoT時代において、ミッションを実現するための重要なキーワードです。

AIやRPAを最大限活用することを通し、既成概念にとらわれず、既存業務を壊すことを辞さない抜本的な業務見直しを進める姿勢で、革新的な生産性・品質向上に踏み出していく方針です。

今後の社会環境の変化に備える意味でも、デジタルの活用は非常に重要です。多くの企業では、団塊世代の社員が大量退職していくなか、ベテランのスタッフたちが持つ知見やノウハウをどのように継承していくか苦労しています。当社でも同様の悩みを抱える中、たとえば顧客対応ではAIのチャットボットに置き換えていくようなことにも取り組んでいます。チームの暗黙知、個人の職人的な専門性といったものをデジタルツールによって次の世代に引き継ぎ、業務の品質を確保しながら再現性も同時に高めていく努力を、進めています。

日本経済が直面する労働人口の減少に伴い、多くの企業が抱える間接業務への課題解決のニーズが、これまで以上に高まっていくと我々は予測しています。そうした時代に向けて、当社は、BPO事業者だからこそできる「BPO×RPA×AI+”X”」という方程式のような発想で、世の中の期待に応え、世の中に必要とされる企業を目指していきます。

最後に、BPO、RPA、AI OCRに関するご相談がございましたら、NTTビジネスアソシエ西日本までご相談いただければと存じます。

さぁ、データ活用を始めよう。
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