導入事例

2019.02.06
株式会社アイケイ

入力処理時間を50%以下にし、そのリソースを顧客と社員のための再投資へ

株式会社アイケイ
  • 会社名
    株式会社アイケイ
  • 業界
    その他
対象帳票
受注表

通販のフルフィルメント業務を一手に担う企業の現場で、受発注業務に際する非定型書類のデジタルデータ化に率先して取り組むDX Suite 活用事例をご紹介。

ITによる生産性向上を本格化する国内屈指のメーカーベンダーが、ドキュメントのデータ化に導入したDX Suite が生み出した、新たなデジタルトランスフォーメーションへの意識変革とは? —— 受発注処理の現場で行われる、AI-OCR活用の実像に迫ります。

はじめに御社の事業内容についてお話をお聞かせください。

当社では、商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行う「マーケティングメーカー」として、雑貨 類・食品類・化粧品といった商品を生協、通販会社、店舗、TV ショッピングなど多様な販売先を通じて販売するメーカーベンダー事業を主に展開しています。
具体的には、メーカーから仕入れた商品を通販会社や小売店に出荷する、通販の問屋機能とEコマースでのフルフィルメント業務を国内外で請け負っています。また近年では、自社開発のブランドも保有し、テレビショッピングでのBtoC販売も行っています。

AI inside の主力製品であるDX Suite 導入の検討に至った背景をお聞かせください。

当社は、通販会社や小売店などの顧客企業からの発注を、社内の基幹システムにデータとして取り込み、商品の受注管理を行っています。そこでは、顧客によってすべて異なるフォーマットの受注票を、ファックスからのA4出力およびブラウザの印刷機能で生成されるドキュメントデータなど、注文の受領段階も各社で異なる方法で、毎日の受注処理が行われています。

当社は、お客様である通販会社や小売店の注文をお請けする立場にありますので、顧客の受注フォーマットを当社の側で指定することはなく、お客様側の多種多様なフォーマットをそのままの状態でいったん受領し、社内で入力処理を行った上で、最終的にCSV形式のデータを基幹システムのデータベースに格納しています。

受注票の書式レイアウトも各社フォーマットの異なる非定型のマルチフォーマット、受注票の受信方法もアナログとデジタルが併存するマルチフォーマット、その両面で複雑な受注票の処理が、休みなく進められています。

そうした状況のなか、昨今のデジタルトランスフォーメーションや働き方改革、業務効率化のトレンドを受けて、データ処理に関わる社員の負荷や業務量を削減するため、AIやRPAのツールで、実際の業務に耐えうる製品やサービスのリサーチを続けていました。

DX Suite を選んで導入いただくことに至った経緯をお聞かせください。

DX Suite の導入前は、最初に市販のファックスOCRソフトを試してみましたが、ミスが許されない受注処理業務に耐えうる精度の確保には至りませんでした。2017年に、IT関連の展示会でAI inside のソリューションを知り、OCRにAIが組み込まれているという点に魅力を感じ、試験的に使ってみることにしました。

並行して、他社のAI-OCR製品も試してみましたが、機能に偏りが見られました。そうした比較検討の結果として、DX Suite の方が、ある程度完成されたプラットフォーム製品という印象もあったため、導入を決定させていただきました。製品としての標準フォーマットがあることが、スタッフ全員にとっての使いやすさに繋がるだろうという判断もありました。

DX Suite 導入以前はどういった規模のデータ入力作業が行われていましたか?

ファックスでの受注票は1週間に平均で数千枚程度、昼夜を問わず送信されてきます。基本的には、その記載内容を基幹システムにすべて手入力で打ち込んでいました。担当者は常時10名程度の体制です。顧客企業全体のうち約3分の1がファックスでの取引となっており、そのなかでも特に50箇所程度の事業拠点のお客様から日々ファックスでの注文票を受領しています。

DX Suite 導入に際して、使い勝手や効果はいかがでしたか?

現状、当社では、受注票がファックスから印刷される前に、複合機のなかで一時保管された受注票データを、画像処理を行うDX Suite と繋ぎこんでいます。そこからの業務設計としては、社内で開発したプログラムで顧客から受領した書類を種別ごとに仕分けし、DX Suite での読み取り処理を行います。生成されたCSVデータを画面上で目視でチェックし、基幹システムのデータベースに格納する時点でも最終的な目視のチェックを行っています。そのプロセスのなかで、DX Suite 導入以前は書類の記載内容をすべて手入力してCSVにしていましたので、1日がかりで入力処理していた作業時間が、導入後の現時点ではおよそ半分程度にまで圧縮されてきています。

実際の業務のなかでDX Suite を導入してみた感想はいかがでしたか?

DX Suite を導入し、日常業務の時間的な圧縮効果を担当スタッフたちが明確に体感できたことで、業務を改善していく意識がチーム全体として高まっているという副次的な効果もあります。通常、現場のスタッフは、もともと定められている業務フローによるルーティーン作業をそのままこなすことの方が多いのですが、DX Suite をチーム全員で使いこなし始めたことで、自らITを使いこなし、改善できるところをは改善して、積極的に業務効率化に取り組もうという前向きな空気が、現場のオフィス内に満ちてきています。

その結果、経営陣や管理職が掲げる業務効率化やIT活用による生産性向上などの課題意識が、現場スタッフ各自のあいだでも自然に浸透してくるようになりました。

管理職やシステム担当者としては、そうした現場スタッフの変化も感じ取りながら、現在、業務設計全体の見直しや組み替えの作業に、チームのリソースを投下するようにしています。

新しく取り組めることがあれば日々実践する、そうした作業プロセスの改善努力の習慣が、チーム内に根付いてきました。

DX Suite 導入後のカスタマーサポート(CS)はどのように利用されていますか?

当初はDX Suite 導入の責任者やシステム担当者がDX Suite を操作していましたが、現場スタッフがDX Suite を使うようになると、その後はAI inside のCS担当者にスタッフ各自が直接電話やメールで連絡を細かに行うようになりました。そこでは、操作の不明点やビルトイン機能の利用方法、ヴァージョンアップによる機能の改善点やアップデートへの対応などについて、詳しくサポートしていただいています。

DX Suite 導入を契機に、ITツールの業務活用への意欲も前向きに高まっていますので、CSへのサポートも同様に積極的に活用させていただいています。

DX Suite の導入によって貴社のなかでの業務効率化は、どのようなインパクトをもたらしていますか?

当社の受発注処理業務の特性とDX Suite の機能との擦り合わせ作業は引き続き進められていますが、DX Suite が本来のポテンシャルとして持つ業務圧縮効果を生み出すには未だ改善と発展の余地は多々あります。そのため現在も、DX Suite のバージョンアップや新機能追加も視野に入れながら、業務量の抜本的な削減に取り組んでいるところです。一方で、DX Suite 導入を契機に業務効率化への意識が芽生えたことで、最新のツールを活用することの意義を、チームメンバー全員が腹落ちした状態で認識するようになりました。結果として、新たなデジタルトランスフォーメーションに取り組むための素地が整ってきていると言えます。

当社ではいま、全社的な経営戦略として、ITによる生産性向上に本格的に取り組んでいます。その遂行に向けて、社内の風潮やマインドセットの変化にDX Suite が貢献したことのインパクトは大きいと捉えています。

最後に、貴社のデジタルトランスフォーメーションへの将来ビジョンをお聞かせください。

当社では、重要な経営戦略として、2018年の6月からRPAの本格導入を進めています。そこでは、一般的なワードやエクセルと同じ感覚でRPAを使いこなすスキルを社員全員が身に付けるよう、奨励しています。PCに人が向かって行う一連の作業から、RPAが適用できる部分を洗い出し自動化を進める。最終的にはロボットがする作業と人間による仕上げ業務の比率が50対50になることを目指す —— そうした目的意識で取り組んでいます。

PCでのルーティーンに縛られる時間を縮小することで、より人間的な、顧客のベネフィットを創造するための時間を、社員全員が新たに生み出すことができることでしょう。

一方で、当社ではワーク・ライフ・バランスへの全社的な取り組みとして「フリータイム制」と「残業ボーナス」の制度を運用しています。「フリータイム制」は、フレックスタイム制により、社員各自が仕事内容を加味しながら、1週間や1ヶ月の単位で設定された労働時間のなかで勤務日と勤務時間を組み立てる制度です。育児や介護が発生した場合にも、柔軟に仕事とプライベートのバランスを取ることができるような制度です。

「残業ボーナス」は、チーム単位で設定された残業時間に対して短縮された時間分を、そのチームメンバー個々人にボーナスとして金銭的に還元する、というものです。近年、働き方改革に取り組み残業を減らした結果、それまでよりも給与が下がってしまったという声も他社では聞かれます。そうしたなか当社では、削減された残業代を会社の側に全て留保することなく、社員個々人に再配分する仕組みを整備しています。

このような制度により、社員が安心して長く働ける環境を整えることで、従業員に愛され、顧客に愛される企業になることを目指しています。

業務効率化と生産性向上により新たに生み出されたヒューマンリソースを、顧客のため、そして従業員が自分自身のために、再投資する。そうして社員個々人が成長することで、会社もまた持続的な成長を続けていく——

そうしたビジョンのもと、当社ではデジタルトランスフォーメーションを進めてまいります。

さぁ、データ活用を始めよう。
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