導入事例

2021.05.17
未来工業株式会社

育休で生じた人手不足をAI-OCRで解決!スモールスタートから全国展開へ

未来工業株式会社
  • 会社名
    未来工業株式会社
  • 業界
    製造
対象帳票
注文書
before
  • 社員の育休取得のため一時的に欠員が生じていた
after
  • AI-OCRと他システムを組み合わせ50%の業務時間を削減
  • 人員に左右されない体制を作ることができた

全国で電気設備資材や給排水設備資材、ガス設備資材の製造販売を手掛ける未来工業株式会社。「日本一幸せな会社」として、社員の働きやすさを重視する一方で、営業部では、育休で一時的に生じた人手不足をいかに乗り越えるかが課題でした。その課題を解決するためにAI-OCR「DX Suite」や他システムを導入。その効果を伺いました。

「常に考える」を実践する未来工業

大橋さま:弊社は「日本一幸せな会社」としてメディアに取り上げられたこともあり、残業禁止やノルマなし、年間休日が140日用意されるなど、社員の働きやすさを大事にしています。また、最長3年の育休制度もあり、出産したほぼ全員がその制度を利用し、職場に復帰しています。変わったところでは「報・連・相」も基本的に禁止です。これは、上司の判断を仰がずに自ら進んで主体的に物事を考え、判断すべきであるという経営理念、「常に考える」を掲げていることに由来します。

児玉さま:弊社は、電気設備資材や給排水設備資材、ガス設備資材の製造販売を手掛けています。電気工事に使われるようなスイッチボックスや水道・ガスに関する商品を製造し、販売しています。自社の特長は他社とは同じものを作らないことであり、他社製品と似たものでも、それにプラスアルファして使いやすさや機能、アイデアを加えた製品企画にこだわっています。

育休による一定期間の担当者不在をどう乗り越えるかが課題

橋本さま:現場ではいかに効率化できるかを考えているため、情報システム側にさまざまな相談がきます。今回のDX Suite 導入も、営業部からの要望でした。

大橋さま:働きやすい環境を実現していく上で、社員が育休を取りながらも営業部の業務が継続できる体制作りに課題を感じていました。全国27営業所の業務担当者は、お客様からの電話対応をしながら、全国合わせると一日およそ4,000枚〜5,000枚ものFAXの注文書を処理しています。近年、Web経由の注文も増えてきましたが、まだまだFAXによる注文も多いですね。当日の15時までに届いたものは15時30分までに入力し、当日中に出荷できるような体制にしているため、周りの営業所に協力を仰ぐこともありました。しかし、業務担当者のほとんどが女性で、そのうちの半数は子どもを育てながら勤務しています。育休で長期休暇に入ったことで生じる一時的な人手不足は、周りの協力だけでは解決できませんでした。また、社員は育休後復帰するため、新規で人を採用することもできず……。そんな状況下で、2020年は全国で同時期に6名が育休を取得することになり、いかに6名分の穴を埋めるか、とても悩みました。

DX Suite 導入の決め手は「読取精度」

大橋さま: 25年ほど前に、従来のOCRを導入していた時期がありました。当時はとても画期的でした。しかし、枠の中に一文字ずつ転記しなければ読み取れず、徐々に転記なしで直接入力した方が速いとの結論に至り、現場では使われなくなったのです。そうした背景から、OCRにはあまり関心がなかったのですが、グループ会社の社長からAI-OCRの紹介を受けたことがきっかけで認識が変わりました。OCRと比べて、AI-OCRは圧倒的に認識率が高かったのです。目の前に差し迫った課題があったので、なんとか育休期間を乗り越えるためにAI-OCRの導入に踏み切りました。

児玉さま:AI-OCRを導入するにあたり、2社で比較検討しました。主に読取精度を比較したのですが、DX Suite の辞書設定やデータ加工を利用した結果、FAXの活字の読取精度が100%でした。この結果からも、DX Suite を選ばない理由はないという結論になり、導入を決めました。

3つのシステムを組み合わせて50%の業務時間を削減!

山北さま:DX Suite を導入した4営業所では、RPAとFAXの受注システムも組み合わせているので、担当者が行なう業務は確認のみになりました。手入力していた頃と比較すると、業務全体でおよそ50%の処理時間で完了できるようになっています。結果、DX Suite の導入時に抱えていた育休社員の補完という目標は無事達成できました。これまで4営業所の11人で入力業務を行なっていましたが、そのうち4名が育休期間に入った現在も、以前と同じように入力業務ができています。

スモールスタートで導入した現場から嬉しい声

大橋さま:DX Suite の導入にあたって、本社の営業管理課で仕組みや使い方を勉強し、帳票設定をしました。注文書はお客様指定のフォーマットであるため、お客様によっては部署ごとに何種類もあります。全ての帳票の設定は比較的簡単にできたため、1カ月程度で完了しました。

児玉さま:まずは育休による人手不足に困っている4営業所に絞ってのスモールスタートでした。現場からは、出社すると大量に届いているFAXがすでに入力されていたことで、一番大変な朝イチの業務が非常に楽になった、という声が届いています。また、複数行の注文書は人の目で確認するとどうしても入力時にズレてしまうこともあったのですが、そうしたミスも防げているようです。その他、小さくて読みにくい注文書をわざわざズームで確認する必要がなくなったという声もありましたね。導入直後から多くの嬉しい声が届いており、まだ導入していない営業所から、早く導入してほしいという声が寄せられるようになりました。

DX Suite を全国の営業所へ

大橋さま:FAX受注システム、RPA、そしてAI-OCRを組み合わせることで50%の業務削減ができましたが、まだまだ業務時間の短縮ができると考えています。例えば、フォーマットの微調整や、目視の確認作業などです。全項目を手入力の頃と同じようにチェックするのではなく、お客様のデータの中でも特にミスやエラーが起きやすい項目を重点的にチェックすれば、さらに効率化が実現できるはずだと考えています。また、現場からの要望もあり、全国の営業所に展開していく予定です。注文件数が多い得意先など、優先順位をつけながら導入を進めていきたいですね。

橋本さま:AI-OCRだけでなく、機械に任せられる単純な作業プロセスは自動化されていくでしょう。インフラ面の効率化は今後も追求していきたいと考えています。

さぁ、データ活用を始めよう。
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