導入事例

2021.06.28
株式会社ジィ・ディー・エル

社内の業務効率化がお客様への還元に。自社サービスに「AI-OCR割」プランも

株式会社ジィ・ディー・エル
  • 会社名
    株式会社ジィ・ディー・エル
  • 業界
    その他
対象帳票
適性検査の回答用紙
before
  • 繁忙期は一日で何百枚もの回答用紙を5名が交代で手入力していた
  • 現場の身体的な負担も大
after
  • 少人数、在宅勤務でも入力業務が完結できるようになった
  • 「AI-OCR割」を 導入し、お客様へのメリットも

「笑顔とGood Job! があふれる職場に。」をスローガンに掲げ、人事アセスメントツールの運営や人事コンサルティングを手がける株式会社ジィ・ディー・エル。「CUBIC適性検査」の回答用紙の入力業務を効率化するため、AI-OCR「DX Suite」とRPAを導入。それによって得た効果と独自の取組を伺いました。

人事アセスメントツール「CUBIC適性検査」を提供する株式会社ジィ・ディー・エル

ーー 事業内容をお聞かせください。

田辺(和)さま:当社は1993年に創業し、人材の採用や活用といったお客様の個別の課題に合わせて、各種コンサルティングや診断ツール、研修、コーチングといったサービスを提供しています。AI-OCRを導入したのは「CUBIC適性検査」という人事アセスメントサービスです。これは個々の社員の特性を、性格特定因子(ビッグファイブ:外向性、調和性、誠実性、神経症的傾向、経験への開放性)によって評価するものです。これによって会社が本当に必要とする人物像を明らかにし、人材採用のミスマッチを防止することができます。その他のメニューには、ストレス耐性診断や基礎能力検査(言語、数理、図形、論理、英語)も行なうことができます。

ーー 「CUBIC適性検査」はどのようなお客様にご導入いただいているのでしょうか。

田辺(和)さま:北海道から沖縄まで、全国およそ3,000社への導入実績があります。IT企業や介護職、アミューズメント系、行政機関ともお取引きがあり、業界や会社規模も本当にさまざまです。

ーー 適性検査は紙で実施されるのでしょうか。

田辺(和)さま:大きな会場で一斉に実施することが多く、不正防止の観点から、これまでは紙での検査が中心でした。コロナ禍をきっかけにWeb適性検査のお申し込みも増えていますが、やはり以前から紙で実施されているお客様や、デジタル化が進んでいない業界のお客様からは、紙での検査を継続したいと伺っています。

繁忙期は1日で数百枚もの入力業務が発生

ーー 以前はどのような課題があったのでしょうか。

田辺(陵)さま:お客様からFAXやメールで届く回答用紙の結果入力を自動化したいと考えていました。設問に数字を記入して回答する形式なのですが、紙を見ながら人の手で自社システムへ入力をしていたのです。

5名の担当者がシフトを組んで交代で入力業務を行なっていたのですが、特に繁忙期の負担が大きく……。3〜5月の採用シーズンは、1日で50〜60社分の入力を行なうこともありました。1社あたり数十枚もの回答用紙が届くため、日によっては数百枚にも及びます。その結果、勤務時間の9時から17時まで入力業務にかかりきりとなっていました。入力業務に加えて通常業務も行なう必要があるため、残業が発生することも珍しくありません。ずっと入力業務をしていると手が痛くなるという声もあり、どうにかして自動化できないかと考えていました。

今後のポテンシャル、AIの学習速度による成長が導入の決め手

ーー どのようなきっかけでDX Suite のトライアルを実施されたのでしょうか。

田辺(和)さま:OCRは昔から知っていたのですが、読取精度が低いことから導入を断念していました。ただ、AI-OCRの場合、AIの学習エンジンによって精度は上がるだろうと予想はしていたのです。そうした中でDX Suite の市場シェアが大きくなり、導入実績も充分であったことからトライアルを実施することになりました。

ーー ツールの比較検討は行なわれたのでしょうか。

田辺(和)さま:他社製品を調べたところ、さまざまな事業の中でAI-OCRに取り組んでいる企業はあったものの、AI-OCRに特化していないため、読取精度やツール機能の成長速度は遅いだろうと感じていました。そのため、他社製品のトライアルは実施せず、お付き合いする上では今後のポテンシャル、特にAIの学習速度による成長を考慮すべきと思い、DX Suite の導入を決めました。

導入のメリットを伝え続けることが現場へ浸透させるポイント

ーー トライアルのご感想をお聞かせください。

田辺(和)さま:想像していた通りの読取精度で安心しました。他にも、DX Suite は文字の読み取りだけでなく、帳票を種類ごとに仕分ける機能(Elastic Sorter)があったことでより効率化することができました。個人的には期待を超えた機能だと感じましたね。弊社の場合、ストレス検査や能力検査など、適性検査の中にもさまざまな種類があるため、自動で仕分けもできることは非常に助かっています。

ーー 現場からはどのような反応がありましたか。

田辺(和)さま:導入し始めた頃は「また新しいことを始めるのか」という感じでしたが、今ではとてもうまく活用できていますし、助かっていると聞きました。導入前からツールで自動化する体制にすると言い続けてきたので、現場からのマイナスな意見はありませんでした。手入力によるミスや疲労の軽減、そしてサービスの品質向上にも大いに貢献できることをずっと伝えてきてよかったと思います。

読取精度を高めるフォーマットに変更し「AI-OCR割」をスタート

ーー DX Suite の導入で、業務フローはどのように変化しましたか。

田辺(陵)さま:導入前、手入力をしていた頃は以下のような流れでした。

① 回答用紙がFAX、メールで届く(24時間)。メールで送付された場合、紙に印刷

② 担当社員が回答用紙を見ながらシステムへ手入力

③ 別の社員がダブルチェックし、検査結果をシステムからレポートに出力

④ レポートをお客様へメール

DX Suite とRPAを導入したことで紙からデータ上の処理に変わり、②③の業務が大きく効率化されました。

① 回答用紙がFAX、メールで届く(24時間)。FAXで送付された場合、スキャンしてPDFデータに変換

② 担当社員がDX Suite に画像データをアップロードし、Elastic Sorter で種類ごとに仕分けた後OCR結果を確認し、データを出力(RPAで自動にシステムに登録)

③ 別の社員がダブルチェックし、検査結果をシステムからレポートに出力

④ レポートをお客様へメール

手書きで数字を記入していた項目をチェックボックスに変更したり、帳票ごとに仕分けしやすいように、回答用紙のフォーマットをAI-OCR用に変更しました。専用の“AI-OCR用紙”で回答いただける場合は、1割の値引きを行なっており、お客様からも高評価です。

一日で数百枚もの入力業務が在宅勤務かつ少人数で完了

ーー DX Suite の導入でどのような成果がありましたか。

田辺(和)さま:2021年の繁忙期は、コロナ禍で在宅勤務としながらも導入前より少ない人数で乗り切ることができました。以前は出社しなければできなかった業務が、今は在宅でも問題ありません。また、お客様にレポートを早くお返しすることができ、サービスへの信頼度が上がっていると感じています。DX Suite の導入は、「私たちは会社として適性検査の業務を効率化し、そのメリットをお客様に還元している」というメッセージになっていると思います。

田辺(陵)さま:これまで現場の社員にとって、個人情報である「CUBIC適性検査」の結果は厳重に取り扱うものであり、自宅で業務ができるとは想像もしていませんでした。しかしコロナ禍で在宅勤務を余儀なくされる中、安全な環境でこれまでと同じ業務ができることは、劇的な変化だったと思います。

DX Suite はなくならない紙の需要に応える頼もしい存在

ーー 今後の展望をお聞かせください。

田辺(和)さま:従来の適性検査は性格を調べるタイプであり、自社の求めている人材かどうかを診断することが主な目的でした。しかし、成果主義のジョブ型採用が今後浸透していく中で、新しい適性検査が求められてくるだろうと考えています。その人がどれだけの成果を出せるのか、といった仕事別の採用適性検査の自社開発を進めているところです。

ーー 今後、DX Suite はどのように活用されていく予定でしょうか。

田辺(和)さま:数年前から紙の検査は消えるだろうと言われてきましたが、実際にお客様からは、まだまだ紙で実施したいとの根強い声があります。また、紙であればどのような現場でも実施できるため、今後も需要はなくならないと考えています。そうした中でも業務を効率化していくため、頼もしい存在であるDX Suite を今後もしっかり活用していきたいですね。

さぁ、データ活用を始めよう。
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