JOHNAN株式会社

2022年に創業60周年を迎える製造業の老舗、JOHNAN株式会社。「守りのIT化」から転換してDXを推進するために立ち上げられたDX推進課で、AI-OCR「DX Suite」を導入しています。今回はDX推進の背景とDX Suite 導入の経緯、そしてその効果について伺いました。

組織横断的なDXを目指す、JOHNAN株式会社

“新しく部署を立ち上げ、中長期的なDX推進に取り組んでいくことになりました”
事業推進カンパニー DX推進課 広瀬 圭一 様

ーー 事業内容をお聞かせください。
広瀬さま:弊社は2022年で創業60周年を迎える、製品の開発支援・試作段階から量産試作、量産までを手掛ける製造業の会社です。長年培った製造技術・ノウハウを基盤とし、お客様の様々な課題を解決してきました。近年では受託型の事業だけでなく、新規事業として産業用水中ドローンの販売や、油吸収材「アブラトール」、エア・コンプレッサから排出されるドレン水を処理する「ドレントーレ」といった既存商品の新たな企画にも力を注いでおり、チャレンジングな社風だと感じています。

ーー 担当されている業務内容をお聞かせください。
広瀬さま:私が所属している事業推進カンパニーのDX推進課では、自社製品に関する業務を中心に段階的なDXを推進しています。一気に全社規模でDXを進めるのではなく、まずは部門内で効果を出し、次に事業部門内、そして事業部間でコラボレーションしたDXと、最終的に組織横断的なDXを目指しています。従来は、社内の情報システム部門がIT導入を進めていましたが、守りのIT化から攻めのIT化へ転換していくことになりました。誰が取りまとめから実行までやるかという議論になった際に、私が立候補したことで、DX推進担当として今の部署が新たに立ち上がりました。

まずは小さくとも結果を出していくことがDXへの近道

ーー DX推進にあたり、どのようなことから取り組まれたのでしょうか。
広瀬さま:各事業部門の責任者と意見交換をする中で、まず取り組まねばならないと考えた共通のテーマが「バックオフィス業務の自動化・省力化」でした。現場の事業部には、製品やサービスをデザインしたり、新しいアイデアを創出しようとしても、目の前の仕事や日々のルーティン業務が忙しくてそれどころではない、という悩みがありました。そのため、バックオフィス業務を自動化・省力化することで、限られたリソースをより付加価値の高い業務にシフトしていく必要があると考えたのです。

ーー DX施策を推進する上で苦労されていることをお聞かせください。
広瀬さま:いくつかありますが、一番苦労していることは、なかなか社内にDXへの取組やデジタル活用が浸透していかないことです。月2回ほど配信している社内のメールマガジンで、他社のDX事例などを発信しているのですが、なかなか反応が得られず……。そこで、まずは小さくてもいいので「早く結果」を出していくことが大切だと考えました。きれいなプレゼン資料を作ることよりも、現場の社員が抱える困りごとに向き合い、動くものを素早く見せる、企画提案型していくことを意識しています。また、現状は少数体制のため少しずつしか前進できませんが、常に半歩先のテクノロジーを追いかけつつ、気がついたら「あの時には、もう戻れない」世界を作っていきたいですね。そのためには、現場により多くのデジタルエクスペリエンスを積んでもらう必要があると考えており、今は過渡期だと思っています。

社内でコントロールできない業務のデジタル化にも着手

ーー DX Suite の導入に至った課題をお聞かせください。
広瀬さま:バックオフィス業務の中でも、自社製品に関する受注業務、具体的には紙やFAXで届く注文書の入力業務を人の手で対応していたことが課題でした。主要なお客様である8社それぞれのフォーマットで、手書き文字もあれば活字もあります。概算では、年間約5,000件の注文書を受け取っており、入力業務には年間232時間もかかっていました。この課題の背景として、お客様の都合上どうしてもデジタル化ができないことが挙げられます。社内でコントロールできない範囲はデジタル化しにくく、どうしても人的資源に頼って処理してきました。しかし、少子高齢化と働き手不足という外部環境の大きな変化のなかで、これまで通り貴重な人材を割いていくことは難しいと判断したため、可能な限りデジタル化を進めることになったのです。

ーー DX Suite をお知りになった経緯をお聞かせください。
広瀬さま:さまざまな企業から従来のOCRを提案いただいたのですが、読取精度が低く、期待した投資対効果が得られないため、導入を断念していました。しかし現場では注文書の入力業務に困っていたため、インターネットで情報を収集するなかでAI-OCRを知り、DX Suite を見つけました。AIや人工知能というと難しいイメージがありますが、DX Suite は親しみの持てるサイトのデザインとサービス内容に好感が持てましたね。

ーー 他社ツールとの比較検討は行われたのでしょうか。
広瀬さま:他社が提供しているAI-OCRの中には、活用するために自社エンジニアによる開発が必要な製品もありました。現場で自走して活用できる体制を目指していたため、分かりやすく、親しみやすいツールであることが大切だったため、比較するまでもなかったです。

ーー トライアルの実施内容についてお聞かせください。
広瀬さま:1ヶ月のトライアルを行なうにあたって、しっかり効果を検証するためにステークホルダーである実務担当者と責任者のリソースを確保しました。実務担当者のIT習熟度は、Excelを少々扱えるイメージです。効率化できる業務フローの仮説を立て、そこから細かい設定を適宜変更しながらトライ・アンド・エラーを回していきました。その際、週一の定例会とチャットでの検証報告をしてもらいました。その結果、読取精度は問題なく、実務担当者も徐々に操作に慣れてきたことで効率化できそうだと判断し、本導入を決定しました。

デモンストレーション動画を作成して社内発信

ーー DX Suite 導入前後の業務の流れをお聞かせください。
広瀬さま:導入前は、二名の実務担当者が月末月初にまとめて入力していました。FAXで届く注文書を紙に出力し、それを見ながら社内で売上といった数字を管理している自社の基幹システムに入力していました。導入後は、紙を画像化させて指定のフォルダに格納した後にRPAのボタンを押せば、そのままDX Suite でCSVにデータが出力され、基幹システムに自動で登録されるよう設計しました。最後に、実務担当者に登録完了通知のメールが届いて終了です。修正があった場合は基幹システム上で実施しています。

ーー 導入にあたって工夫したポイントをお聞かせください。
広瀬さま:実務担当者が導入前と比べ、どれだけ楽になったのか、どれだけ負荷が減ったのか、個別にインタビューを実施しました。その際は「生の声」をしっかり聞くためにプレッシャーを与えないよう、AIを使って業務を実施していることを誇りに思ってもらえるように会話をすることを心がけました。また、現場へのインタビュー内容は経営陣にも報告しています。

ーー 導入にあたって、カスタマーサクセスのサポートはありましたか。
広瀬さま:導入初期は分からないことが多く、カスタマーサクセスの方にかなり問い合わせをしていました。すごく丁寧にフォローいただき、自分が忙しくてしばらく放置してしまったときには「ご状況いかがですか?」とご連絡をいただくこともありました。サポートサイトの内容も充実しており、そこを見れば大体のことは分かることも嬉しかったですね。

ーー DX Suite の社内浸透のために工夫されていることはありますか。
広瀬さま:成果を積極的に発信するようにしました。メールをテキストで配信しても、皆さん忙しく読む時間がないと思ったので、”◯時間削減”などのキャッチーなタイトルをつけて、動画をメールに添付して配信しました。実際にDX Suite を動かしている様子に、テキストの解説を付けた1〜2分の動画ですが、その動画さえ見れば、DX Suite がどのようなツールなのかを知ることができます。AIは目に見えない抽象的なものなので、理解してもらうためには実際に動いている様子を見せることは非常に大切なことだと思います。

年間232時間かけていた注文書の処理が38時間まで削減

ーー DX Suite 導入の定性的な成果をお聞かせください。
広瀬さま:読み間違いなどの人的ミスがなくなりました。操作も簡単なので、実務担当者(一名)が忙しいときは、注文書を受け取った営業担当がデータ化することもあります。また、実務担当者は、入力業務がなくなり、基幹システム上での確認のみとなりました。繁忙期の残業も減り、プライベートとのバランスが改善したことは本当に良かったと思います。加えて、社内発信の成果もあって他の事業部もDX Suite の導入を検討したいという相談がくるようにもなりました。また、働き方改革に向けたデジタルツール活用のノウハウ蓄積にも貢献していると思います。

ーー DX Suite 導入の定量的な成果をお聞かせください。
広瀬さま:約5,000件の注文書を年間232時間かけて処理していたのですが、DX Suite の導入で38時間まで削減することができました。DX Suite とRPAを組み合わせたことで、効果が大きく表れましたね。また、今後他拠点や他事業部に広く展開していくことで、スケールメリットが得られる可能性が大きいです。特に費用対効果は短期的な指標として重視されがちですが、3〜5年と継続することで精度が向上し、さらに費用対効果が改善されることも加味すべきでしょう。

AIと人のコラボレーションで業務全体をデザイン

ーー 今後の展望についてお聞かせください。
広瀬さま:AIは将来のビジネスを支えるコアテクノロジーだと考えています。しっかりAIの特徴を考慮し、いかにAIと人間がコラボレーションして業務を遂行、業務全体をデザインすることが今後のビジネス展望を考えるうえで必要不可欠なのではないでしょうか。

ーー DX Suite の導入を検討されている方へのメッセージをお願いいたします。
広瀬さま:AIは導入していきなり大きな成果が出るものではなく、滑らかに最適化されていく「インフラ」のような存在だと思っています。時間をかければかけるほど業務に馴染んでいくため、少しでも早く導入したほうがメリットが大きくなると思います。AIと聞くと、難しそうなイメージから身構えてしまうかもしれません。しかしDX Suite は今までのシステムよりも直感的に使うことができるはずです。まずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

JOHNAN株式会社

本社所在地:〒611-0033 京都府宇治市大久保町成手1番地28
創業:1962年10月
設立:1968年8月
URL:https://www.johnan.com/







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