導入事例

2020.06.30
ヤマトマネージメントサービス株式会社

400時間/月の削減に成功。現場で使えるかんたんさが魅力

ヤマトマネージメントサービス株式会社
  • 会社名
    ヤマトマネージメントサービス株式会社

ヤマト運輸をはじめとしたヤマトグループのバックオフィスの業務を担っているヤマトマネージメントサービス株式会社。業務の脱属人化や処理時間の削減、ヒューマンエラーを防ぐため、以前導入していたOCRツールから乗り換えてDX Suite を導入。その検討ポイントや導入後の効果を伺いました。

皆さまの業務内容を教えてください。

小宮さま:弊社ヤマトマネージメントサービスはヤマト運輸をはじめとしたヤマトグループのバックオフィス業務を担っているシェアード企業です。コーポレート機能の中でも、主に会計業務と人事業務がその対象になります。社員数全体で350名ほどで東京と佐賀に拠点があり、紙帳票のデータ化業務は主に佐賀BPOセンターで行なっています。

ここ最近の大きな変化として、ヤマトグループ全体で掲げた「YAMATO NEXT100」と題した次の100年に向けた方針があり、その中でバックオフィス業務の効率化が言及されています。そしてもう1つ、新型コロナウイルス対策が大きな変化です。こうした非常時だからこそ、給与の振り込みや取引先への支払いは絶対に止めることはできません。社員や取引先の生活とご家族に直接関わることですので、より一層業務への責任と会計業務における紙帳票のデータ化を進める必要性を感じてましたね。


DX Suite 導入の背景と課題を教えてください。

小宮さま:以前からRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入をはじめとした業務効率化の流れはあったのですが、グループ全体で「基幹システムは自社で内製する」という方針であったため、動き出しにどうしても時間がかかっていました。その結果、現場ではExcelマクロが得意な人自身で効率化の仕組みを作ってしまい、その人にしかできない業務が発生するという、業務の属人化という課題が発生したのです。そうした背景から、「すべてを内製するのではなく、世の中のいいサービスを活用していこう」という方針にグループ全体が変わり、AI-OCRといった業務効率化ツール導入の動きが加速していくことになりました。

小田原さま:弊社の会計業務は紙帳票が中心です。人が目で確認してパンチし、そのパンチ内容を別の人がチェックして処理をする、というのが大まかな流れなのですが、そこで起きていた課題として、ヒューマンエラーの発生が挙げられます。100件のうち、1件ほどは何かしらのミスが起きていました。伝票の科目や部署名が間違っていたり、数字の「8」と「6」を見間違えたりと……。また、作業時間も課題の1つです。ヒューマンエラーの確認、修正作業も合わせると、経費精算の処理に月間1,300時間もかかっていました。

小宮さま:実は5〜6年前から別のOCRを弊社では導入していました。ただ、そのツールは読み取りの精度が低いこと、操作が難しすぎて使いこなせる人が1〜2人しか社内にいない状態だったのです。そうした課題に悩んでいる中、AI-OCRに詳しい他社の方から「最近のOCRはかなり読取精度が高いですよ」というお話を伺い、ツールの乗り換えを検討することになりました。

比較検討はどのように実施されたのでしょうか。

小池さま:比較検討では、読取精度と使いやすさを重視しました。一部のIT部門が利用するのではなく、佐賀BPOセンターの担当者がちゃんと活用できるようにと、特に使いやすさは重要な比較項目でした。DX Suite は自分たちで読み取りの設定から簡単に変更できることが高評価でした。ITに慣れていない人でも簡単に設定変更できるというのは、現場にとってすごく使い勝手がよいですね。他社のツールだと、設定変更はベンダーに問い合わせる必要があったので、そうすると使い勝手も悪く、時間も余計にかかってしまいます。また、読取精度も他社より良いと感じていました。

小宮さま:また、導入における価格も比較しました。DX Suite は読取箇所あたりの価格設定であり、予定していた帳票の読取箇所というのが5〜7箇所と少なかったので、DX Suite の価格設定が弊社都合に合致していたのです。この点は経営層への導入提案時にも説明していたポイントですね。

DX Suite はどのように利用されているのでしょうか。

小池さま:導入後は主に佐賀BPOセンターの従業員、おおよそ20名ほどが普段の業務で使用しています。なお、その20名のほとんどはIT未経験です。ここで処理されている帳票の数は毎月2〜3万枚にも上ります。以前は紙の内容をパンチしていたところをDX Suite で自動で読み取り、読み取られた部分をチェックする体制に変更しました。これによって、以前はパンチ担当とチェック担当で2人必要だったのですが、読み取りとチェックは1人でも問題なく行なえるようになりました。

小田原さま:普段の業務の中で読取設定の変更もよく行なわれます。グループ全体の支社や営業所は全国各地に何十箇所とあるため、1〜2ヶ月に1回ほどの頻度で紙帳票のフォーマットが変わることがあるのです。フォーマットに変更があれば読取設定も変更しなければならないため、設定変更が簡単にできることは本当にありがたいですね。当初は会計業務での活用がメインでしたが、現在では人事業務でも広まっています。


DX Suite 導入後のご感想と成果についてお聞かせください。

小宮さま:以前導入していたOCRとは比べ物にならないくらい精度がいいですね。私たち業務構築部には社内から色々な問い合わせがくるのですが、DX Suite に関しての相談はほとんどないです。何か問題が起こっても、現場でしっかり解決できている証拠だと思います。
導入後の定量的な成果としてはまず業務時間の削減です。経費精算の処理に毎月1,300時間かかっていたところ、事前の目標値に近い370時間の削減を実現することができました。これは機械で確認する箇所と人が確認する箇所を明確に分け、これまで人チェックしていた箇所を半分まで減らすことができたことによる成果です。また、振替伝票の処理についても、月間30時間を削減することができました。

今後の展望を教えてください。

小宮さま:今後を考える上で、新型コロナウイルスの影響は大きいと感じています。やはりどうしても紙での業務はテレワークを推進する上で足かせになっているのです。そこを変えていくためにも、「紙からデータへ」というデジタル化をこれまで以上のスピード感で進めていきたいですね。これはヤマトマネージメントサービス内だけでなく、グループ全体でもデジタル化に対してかなり前向きになったと感じています。そうした流れの中で、業務の効率化のためにもDX Suite をしっかりと活用していきたいですね。

AI-OCRの導入を検討されている企業様へのアドバイスをお願いします。

小宮さま:正直、すんなりAI-OCRが導入できた訳ではありませんでした。導入後に実際に利用する当事者との意識の差をコミュニケーションによってしっかり埋めてあげることが大事です。弊社では導入後に小池が佐賀に何度も出張し、使い方や業務フローを直接説明して体制を整えました。そうした課題を超えて導入できれば、業務の効率化に必ず役立つと思っています。

さぁ、データ活用を始めよう。
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