株式会社ジェーシービー

日本で生まれた唯一の国際カードブランドであるJCB。全世界的にキャッシュレス化が進む中で、その存在感がますます増していくことは間違いありません。そんなJCBにおけるデジタルトランスフォーメーションの取り組みについて話を聞きました。

全社で推進するデジタルトランスフォーメーションの中核を担うDX Suite。RPAとの連携を通して、組織全体の効率化や最適化まで視野に入れています。

はじめに御社の事業内容について教えてください。

株式会社ジェーシービーの事業内容をひと言で言うと「総合決済サービス事業」です。近年、キャッシュレス化の流れが加速し、さまざまな決済サービスが登場しています。クレジットカードなど後払い方式、Suicaなど交通系電子マネーをはじめとした非接触型のプリペイド方式、金融機関が推進するデビットカードといった即時払い方式など……。こういったさまざまな決済サービスが登場する中で、多様な決済サービスを提供するのがJCBです。

御社のデジタルトランスフォーメーションの取り組みについて教えてください。

"時代の流れに合わせwebサービスを拡充していきデジタルトランスフォーメーションを推進していく必要があります。DX Suite 導入もその取り組みのひとつです"
代表取締役兼専務執行役員 カードサービス本部長 明田様

2000年以降、インターネットの普及に伴いECサービスが拡大しました。その中でクレジットカードでの支払いという価値が浸透。さらにここ数年、スマホやタブレットといったモバイル機器での決済も拡大しつつあります。つまり、決済サービスというマーケットが大きく変化しているわけです。当社もこうした社会の流れに合わせていかなければいけません。

従来は、紙・郵便・電話がお客様と接する際のメインチャネルでした。しかし、それではお客様のニーズに応えることはできません。そこで、スマホから入会申し込みをできるようにしたり、ご利用明細を24時間365日確認できるようにしたりなど、webサービスの拡充に力を入れています。現在は、カードサービスとお客様のニーズをかみ合わせていくことを念頭において、デジタル化を進めているところです。

キャッシュレス化やペーパーレス化、デジタル化の最大のメリットは、お客様の個人情報の取り扱いやカードご利用シーンにおける「安全・安心」の実現だと捉えています。これは、当社のデジタル化の取り組みにおける重要な価値軸だと考えています。今回、DX Suite を導入したのもその一環です。正確性と即時性を獲得しつつ、デジタルトランスフォーメーションを構築していく。安全・安心、かつスピーディに処理を行えるという点に期待しています。

AI inside の主力製品であるDX Suite 導入の検討に至った背景をお聞かせください。

"膨大な紙帳票のデジタル化が必要となりOCRを検討し、様々なサービスを比較検討した結果DX Suite を採用しました" 
カードサービス企画部 沖野様

膨大な紙媒体の情報を何とかデジタル化しなければいけないという課題がありました。RPAとしてWinActorを導入していたのですが、より効率化を行うため次の施策を考えなければなりませんでした。それが2017年のことです。その中でOCRという技術に着目し、複数社からの情報を受けて2018年の2月くらいから検証を開始しました。OCRの場合はまだまだ開発初期段階ということもあり、希望のサービスが商品化されていなかったり、文字認識率が低かったりして、比較は難しかったですね。その中で、DX Suite は商品化もされていましたし、正確性が高かったため導入を決めました。

その後、どのような検証を経て本格導入に至ったのでしょうか?

最初は入会申込書やお客様の変更届、売上のデータなど数の多いものから試していきました。しかし、当社の場合、それらの帳票のフォーマットが固定されていなかったこともあり、なかなか文字認識率が上がらず、修正の負荷が高くなることが分かりました。そこで、読み取る帳票をポイントの商品交換申込書に変えて検証しました。この帳票は数字がメインだったので、認識率が高かったんです。「これで進めよう」ということになったのですが、次に出てきたのがズレの問題でした。お客様からいただく申込書には、キリトリ線がちぎれているなどのズレがどうしても生じてしまい、正確に読み取ることができず、誤認識してしまうこともありました。この問題は非常に大きく、営業担当と何度も打ち合わせを重ねました。実は、帳票を改訂したほうがいいのではないか、という話まで出たんですよ。

そのズレを解消しないと本格導入にこぎつけられなかったわけですね。

そうですね。検証を開始して半年くらい経ち、2018年6月に新しいモデルが発表され、文字認識率が飛躍的に向上しました。それはAI inside の努力の結果だと思います。帳票を変える必要もなく、結果的に読み取りマークをつける程度で収まりましたね。その後、2018年12月の製品アップデートにてズレの問題も解消され、2019年1月、社内で正式にリリースを行ったという流れです。一時期は社内導入が難しいのではないか、と考えていましたが、仕様が改善されて良かったです。

リリースした後、社内の反応はどうでしたか?

"従来2名で行っていた作業の1人分をOCRに置き換えることで50〜60%の業務効率化に繋がりました" 
カードサービス企画部 次長 佐々木様

多くの社員が感動していましたね。「こんなに読めるのか!」といった声が上がっていました。三鷹のオフィスで説明会などを行うと「こんなことにも活用できそうですね」といった意見が出るなど、関心の高まりを感じました。つい先日も、加盟店の端末申込書で挑戦したいという話を聞いたところです。現在、加盟店のカードリーダーなどの端末申込書の改訂を進めているところで、それに合わせてOCRを業務フローに組み込む動きも出てきています。また、各支社からの問い合わせも多くいただいていますよ。各支社からスキャンしたデータを本部に送ってもらい、一括して処理できないか、という要望も出ています。DX Suite を導入したことによって、手書き文字をデータ化するだけではなく、BPRの選択肢が増えたと感じています。

導入して、業務効率化はどの程度達成されましたか?

当社では、従来から2名のキーパンチャーが別々に入力するエントリー・ベリファイ方式を採用していました。今はそのうちの1名分をAI-OCRで行っています。単純計算で1名分のリソースが空いたこと、さらにRPAとの連携を行うなどして、全体としては50%~60%の効率化を実現しました。

RPAとの連携はどのように行っているのでしょうか?

RPAとしてWinActorを導入しています。WinActorで行う作業の前工程をOCRで行うイメージです。不要なファイルを取り除いたりして画像を管理し、WinActorにデータを連携させています。

データの確認作業はどのように行っているのでしょうか?

"紙で受け付けている入会申込書やユーザ変更届にもDX Suite を活用していきたいですね" 
会員サービス部 篠原様

エントリー・ベリファイを導入していますから、1回目はOCRで読み込み、2回目の作業は画像を見ながら人がパンチ入力を行うという業務フローに変わりました。AI-OCRと人が入力した結果を併せることで、正確性を担保しているのです。正確性については、100枚の紙を読み込んだ場合、修正が必要なものが10件あるかどうか、といった感じですね。これは2名でパンチ入力をしていたころとほぼ同じくらいの正確性なので満足しています。

今後、どのような業務に展開していくことを考えていますか?

現状、紙で受け付けている入会申込書やユーザの変更届などの業務に関しては、すべて変えていきたいと考えています。業務内容がお客様の個人情報を扱うものなので、なかなか完全ペーパーレスは難しい部分もあります。それでもOCRによるデータ化が可能になれば、業務効率化という観点だけではなく、セキュリティの面でも大きく飛躍できると考えています。

今はポイントの商品交換申込書の処理にDX Suite を活用しているので、数値の読み取りがメインです。数値の項目であれば問題なく運用できますが、今後課題となるのは、住所や名前など、ひらがな・カタカナ・漢字が交じった帳票の対応です。検証していく中で、実はすでにそれなりの文字認識率にはなっているのです。しかしたとえば住所を入力する際、1文字間違っていた場合は修正するのにどれくらいの時間を要するかなどを検証する必要があります。数値だけなら修正のためのパンチ入力もラクなのですが、漢字やカタカナだとどうなるのか、試していきたいですね。

DX Suite を導入して良かったことを教えてください。

良かったことは、何より業務時間が短縮されたことですね。また、導入を推進する側から言えば、OCRをきっかけにBPRが実現できたことです。RPAを導入してもほとんどの場合、人が行っていた作業をRPAに置き換えるだけで終わってしまいます。しかし、OCRを導入することで、紙をデータに置き換えられるのです。つまり、そのデータに合わせてフローを変えていかなければいけません。DX Suite を導入したことによって、結果的に全体のBPRの見直しができました。それが非常に良かったと考えています。

今後、DX Suite に期待することを教えてください。

"DX Suite を使うことにより業務効率化のきっかけを作れたので、別業務でAIを使うことで業務効率化を図っていきたいですね。" 
会員サービス部 石塚様

今後は、形が決まっていない非定型帳票の読み取りに挑戦したいですね。当社の場合、たとえば申込書ひとつ取っても提携先ごとにフォーマットが異なります。航空会社ならマイレージナンバーを書く欄がありますし、自動車販売店なら自動車のナンバーを書く欄がある、といった具合です。これは基本的に提携先の意向を反映しているので、当社ではコントロールできないもの。こうしたものも読み取れるようになることを期待しています。

DX Suite を運用することによるビジョンをどのように考えていますか?

当社ではさまざまなセクションで、紙媒体から端を発する業務を多く扱っています。それらの入力作業を削減することによって、どうすれば全社的に業務効率化できるか、ということを考えるきっかけになったと感じています。現在はひとつの帳票から始めていますが、今後はその他の業務に活用することも考えています。さらには業務を統合化したり、統一したフローを組み上げたりすることも可能かもしれません。きっかけは紙に書かれたものをデータ化するという作業でしたが、会社全体として組織の最適化につながる第一歩になったと考えています。つまりDX Suite の導入によって業務を効率化したことで、組織に良い影響をもたらすことができる手ごたえを感じているのです。

最後に、AI inside に期待することを教えてください。

当社のメインチャネルは紙・郵便・電話ですが、業務にAIを導入することで、各チャネルの効率化ができることを期待しています。個人的に考えているのは、OCR以外でのAIの利用ですね。当社の事業分野で言えば、たとえば与信管理で使えないかなどを考えています。有人の工程が多い業務ほど、AIを導入することで効率が上がるので、そういった分野での飛躍を期待しています。

株式会社ジェーシービー

本社所在地:東京都港区南青山5-1-22青山ライズスクエア
URL:http://www.global.jcb/ja/(グローバルサイト)
http://www.jcb.co.jp(JCBカードサイト)

株式会社ジェーシービーは、日本発唯一の国際クレジットカードブランドを運営する総合決済サービス企業として、国内外のお客様やパートナー企業の期待にお応えする様々な事業を展開しています。

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