導入事例
約92%の業務時間削減に成功。「DX Suite はもう1人の社員のような存在」
- 会社名東京建物株式会社
- 業界建設・不動産
- 3,000枚/年の契約書と9,000枚/年の請求書を人の手で処理していた
- 繁閑差が激しく、人に頼る体制だった
- 契約書は92%、請求書は84%の業務時間削減に成功
- 「業務の平準化」で繁閑に左右されない業務体制に
日本で最も長い歴史を持つ総合不動産会社として、ビル事業や住宅事業、アセットサービス事業などを展開している東京建物株式会社。請求書や契約書など、紙による業務の処理に課題を感じ、AI-OCR「DX Suite」を導入。その選定理由と効果を伺いました。
日本で最も長い歴史を持つ総合不動産会社である東京建物
福山さま:当社は、日本で最も長い歴史を持つ総合不動産会社として、ビル事業や住宅事業、アセットサービス事業などを展開しています。多くのグループ会社があることで、さまざまな事業を多角的に手掛けていることが特徴です。私は、主にDX推進を担当している部署に所属しており、データベース構築やツールの導入、データ活用に取り組んでいます。
石川さま:私が所属している住宅業務統括部では、『Brillia』という住宅ブランドを展開しています。マンションの提供だけでなく、仲介やリノベーション、ライフサポートなど、お客さまの暮らしに寄り添った“住まいのトータルブランド” です。その中でも私は、マンションをご購入いただくお客様からの入金業務やマンション販売に係る建築費や費用の支払業務に携わっています。
人手を増やすことが入力業務の解決策になっていた
石川さま:不動産業界は紙文化が非常に根強く、契約書や請求書など、すべて紙でやり取りされています。具体的には、7〜9名の社員が年間でおよそ3,000枚の契約書と、9,000枚の請求書を処理してきました。請求書1件に対して、10枚ほどの明細が添付されていることもあり、それを読み解くことに半日かかることも珍しくありません。手入力だと効率が悪く、量が多くなればなるほどミスも発生しやすくなります。そうした課題の解決策は、人手を増やすことしかありませんでした。また、入力業務にも繁忙期があります。大きな物件のプロジェクトが始まると、一気に新規契約の書類が舞い込んでくるのです。場合によっては、月次決算の締め日までに案件化するため、翌日までに入力しなければならないこともありました。
福山さま:そもそもデジタル化ができていないと、社内の貴重なナレッジがデータとして溜まりません。まずはアナログな情報をデータ化し、それを集約、可視化して活用していくというステップを踏んでいかなければと考えていました。競争の激しい業界で同業他社と戦うためには、やはりデータが必要不可欠です。これまではある種の経験と勘によって決定されてきた事業戦略を、可視化されたデータによって裏付けし、より精度を高めていきたいと思っていました。
手書き文字の読取精度を評価軸に比較検討
福山さま:DX Suite の販売パートナーであるビジネスブレイン太田昭和(BBS)様にAI-OCRの仕組みとDX Suite をご紹介いただく講習会を開いていただいたことが導入のきっかけです。また、弊社が懇意にしている他社様でもDX Suite を導入されていると聞き、そこのご担当者からもおすすめいただきました。ただ、OCRと言えば、読取精度が非常に低く、結局人が打ち込んだ方が早いというイメージだったので、私自身はOCRをあまり信頼していませんでした。しかし、BBS様の講習会で、DX Suite は非常に精度が高く、手書き文字も読み取ることができることを知り、興味を持ちました。そこから、文字の読取精度と費用、読み取りの定義設定の難易度を評価軸に比較検討を行ないました。他社サービスと特に差が出たのが、読み取りの定義設定の簡単さでしたね。他にも、非定型(Multi Form)の読み取りが可能であることにも魅力を感じました。今後、非定型の開発をさらに進めていくとのことだったので、その言葉を信頼し導入を始めることにしました。
5〜6時間かかっていた業務が30分で完結
石川さま:手元に届いた契約書や請求書は、PDF化した後にDX Suite でテキストデータ化し、アウトプットされたデータと別に持っているデータとの突合をしています。契約書の処理は特に効果が出ており、92%の業務時間削減に成功しています。入居者様からいただいた契約書は、まずマンション毎に部屋順で並べ替える作業が発生し、およそ300件近くの契約書を一度に並べ替えるのはとても大変で、準備から入力完了までに5〜6時間かかっていました。DX Suite 導入後は、それらの業務がたった30分で終わるようになったのです。また、毎月およそ60件発生する同一書式の請求書のデータ化は、手作業で2時間ほどかかっていましたが、OCRだと20分で完了するようになりました。
福山さま:費用対効果が出ただけではなく、「業務の平準化」が実現できたこともあり、導入後の効果にはとても満足しています。季節によって偏りがあった業務が平準化され、数値化できない働き方への貢献にも繋がりました。
石川さま:現場では、これまで大量の書類を前にすると入力に尻込みしていたのですが、今では「何件でもどうぞ!」という雰囲気です。そうした意味でも、非常に効果があったと思います。
DX Suite はもう1人の社員のような存在
石川さま:DX Suite は私たちにとってもう1人の社員のような存在です。どの業界でも働き手不足が叫ばれる中、少ない人手でもこれまでと同じ業務をすることが課題になってくると思います。以前は社内で独自のシステムを作ったりもしていましたが、最近ではRPAやDX Suite のようなツールを組み合わせ、低コストでありながら高パフォーマンスの仕組みが作れるようになりました。そうした流れの中でDX Suite のような、気軽に利用できるサブスクリプション型(※)のサービスは非常に便利だと思います。
福山さま:弊社の基幹業務はオフィスビルと分譲住宅ですが、今後はこれまでのノウハウと信頼を活かした事業も手掛けていきたいと考えています。DXによる省力化だけでなく、会社として売上を向上させていく必要があるため、今まではハード面に注力した業種でしたが、オフィスビルや商業施設に来られた方や物件に住んでいる方に向けたソフト面の事業も検討していきたいですね。そのためにもデジタルを活用し、人の力をかけずに自走していくことができる仕組みを整えていくことが重要だと考えています。
※サブスクリプション型・・一定期間の利用権として定期的に料金を支払うビジネスモデル