導入事例

2019.02.06
株式会社パソナグループ

アナログの良さを残しつつ業務効率化を実現し、クリエイティブな仕事へ注力

株式会社パソナグループ
  • 会社名
    株式会社パソナグループ
  • 業界
    その他
対象帳票
筆記試験用紙, 面談シート

企業理念は『社会の問題点を解決する』。常に新たな社会インフラを創造し、働く人々が心豊かな人生設計を描ける社会を築く。パソナグループはソーシャルソリューションカンパニーとして、社会を変革しています。パソナグループは自社の採用活動効率化のため「DX Suite」を導入。その先を見つめる視線には、ITやAIによる働き方改革を実現しようとする強い意志がありました。

働き方改革が声高に叫ばれるなか、従来の仕事の領域をいかにITやAIに任せるのかが重要です。
AI-OCR製品「DX Suite」を活用し、業務効率化だけでなく、働き方に対する意識変革を実現したパソナグループの取り組みとは?

はじめに御社の事業内容についてお話をお聞かせください。

パソナグループの仕事をひと言で表すと「人を活かすこと」です。総合人材サービスをメインに社会の問題点を解決することを目指しています。年齢や性別を問わず、誰もが自由に好きな仕事を選択し、働く機会を得て、豊かな生活をおくるための仕組みづくりを行っています。すべての人がそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方で活躍できるよう、多様な社会インフラを構築しています。

AI inside の主力製品であるDX Suite 導入の検討に至った背景をお聞かせください。

パソナグループ全体の新卒採用の業務効率化のためにDX Suite の導入を検討しました。新卒採用の場合、筆記試験の採点や面談のコメント入力など、人の手でデータ化を行う業務がとても多いのです。ですが、新卒採用の仕事のメイン業務は、弊社の魅力を学生の方へ発信することです。そのため、時間のかかる筆記試験の採点や面談コメントの入力などはできるだけなくし、コンテンツの作成など人にしかできないクリエイティブな仕事に時間を使いたいと思いました。

DX Suite を選んで導入いただくことに至った経緯をお聞かせください。

何よりもUIが使いやすいところが魅力でした。マニュアルがなくても、ひと目で大体のことが分かるようになっています。AI inside 様に来社していただき、システム関連の方に説明していただいたのですが、ITの知識がそれほどなくても一回教われば順応できるようになっていました。さらにユーザー部門主体で設定できるところも魅力でしたね。パソナグループにもIT部門はありますが、いい意味でIT部門が関わることなく、現場主導で使えます。これからの時代、ITに関する最低限の知識を持ちながら、現場主導でIT化を進めていかなければいけないと考えています。セキュリティなどの基本的な部分を押さえておけば、現場でやりたいことがスピーディにできるので、導入を決断しました。

DX Suite を導入後の具体的な効果について教えてください。

パソナグループの新卒採用選考会は全国で行われており、一回あたり50名~100名ほどの学生が集まる選考会を週に3,4回実施しております。DX Suite の導入前、筆記試験の採点と面談のコメント入力は社員の手で行っていました。筆記試験の採点だけで1回の選考につき3~4時間の業務時間がかかっていましたが、それが15分から30分に大幅に減ったことが、効果として大きく感じています。空いた時間で他の業務ができるため、繁忙期の残業時間減少にもつなげることができました。

別の視点ですと、筆記試験の際に「AIで読み取る」ことを学生に伝えることで好印象を持ってもらえるようになったのは面白い変化です。マークシートではなく手書きの文字や数字を自動で読み取ることを説明すると、「今どき~!」という声が上がります。そういった部分でも、パソナグループに好印象を持ってもらうことにつながっています。

業務効率化を実現し、新たに生まれたコンテンツなどはありましたか?

パソナグループの社員と学生の座談会などを行っていたのですが、やり方を変えました。今までは学生に来社してもらっていたのですが、遠方からだと時間もお金もかかってしまいます。それを解決するために、YouTubeを利用したオンライン座談会を行うようになりました。
DX Suite というITツールを導入したことで、業務効率化という結果が可視化されそれがきっかけになって、部署全体でITの活用を考える雰囲気が生まれています。働き方改革やペーパーレスといった課題に対して、ITの活用方法は今以上に重要になってくると部署全体が意識するようになりました。

DX Suite 導入後のカスタマーサポート(CS)はどのように利用されていますか?

使い方が分からないときなども気軽に電話できますし、何よりも「こういうことをしたい」というオーダーに応えてくれるのでとても助かっています。求める機能が搭載されていない場合、別の解決方法を一緒に考えてくれるなど、とても親身にサポートしてくれる印象です。1時間という約束でお時間いただいた際も、私たちが理解できるまで時間を大幅に超えてサポートしてくださいました。
IT部門から見た場合、現場で完結することが一番のサポートです。実際、DX Suite に関する問い合わせは、IT部門にはほとんどありません。ほぼすべてを担当部署とAI inside 様で完結できる。それが一番だと感じています。

今後のDX Suite 活用のビジョンについて教えてください。

引き続き、筆記試験の採点や面談シートのコメントの読み取りを行っていきます。導入したばかりなので、長文になるとどうなるか、クセのある文字などはどうなるか、など手探りの部分もまだまだあります。それらをAIに覚えこませながら、進化させていきたいです。本当にひとりの社員を育てるような感覚で使えるので面白いですよね。また、帳票拡大もしていきたいと考えています。人事部では中途採用や社内の昇格の際に適正検査を実施しており、過去実施分を含め膨大な紙データが残っているので、そのデジタル化に挑戦していきたいです。弊社ではタレントマネジメントシステム活用の軸が生まれているため、そのためにもアナログデータのデジタル化や継続的なデータ蓄積を実現していきたいと思います。そうしたことを実現したうえで、OCRと人材をセットにした新しいビジネスを構築できるのではないかという期待感もあります。
さらに、人事での展開だけでなくシェアード業務のメニュー化やグループ企業への導入展開等も考えています。

パソナグループの事業の中で、ITが果たす役割をどのように考えていますか?

今後の事業展開を考えた際にITやデジタル抜きでは語れないでしょう。それぞれの現場ごとにやりたいことがありますし、それを実現、加速させるためにもITのことを分かりつつ、現場主導で進めていくことが大切です。また、ITやAIの価値が高まっているからこそ、逆にアナログも大切にしなければいけないとも思います。パソナグループは人と会って話をすることをとても大切にしている会社です。すべてをデジタル化、IT化するのではなく、アナログの良いところを残しつつ、業務効率化をしていきたいと思います。

AI inside に今後、期待することを教えてください。

文字を読み取る技術については非常に大きな強みだと思います。これ以上に期待したいことは、「どうしよう?」という疑問に対して、「こうしましょう」という回答だけではなく、業務ごとのテンプレートだとか、凡例などがあると嬉しいです。そうすればよりスピーディな効率化が実現するように思います。
システム開発にはふたつの視点があると考えています。それは、「こうしたい」というものをシステム化することと、システムありきで何をするかということです。前者だけではなく、後者が実現できれば、今以上に汎用性が高い仕組みが構築できるのではないかと考えています。

さぁ、データ活用を始めよう。
question_mark
close