導入事例

2022.06.03
日本ガス株式会社

AI-OCRを活用して作業人員はそのままに業務時間を5分から30秒に大幅削減!

日本ガス株式会社
  • 会社名
    日本ガス株式会社
  • 業界
    その他
対象帳票
申込書, 出勤報告書
before
  • 事務センターのオペレータが紙帳票を1人で手入力をしていた
  • 業務の中で一部残っている紙帳票がDX化の妨げに
after
  • 業務にかかる時間が5分から30秒に大幅削減
  • AIを導入することで社内の業務効率化意識が向上

鹿児島市を中心に総合エネルギー事業を展開する日本ガス株式会社。
RPAを組み合わせた業務効率化とデジタル化を推進するため、AI-OCR「DX Suite」を導入し入力業務を効率化。
導入前の課題や導入後の業務効率化はもちろん、社内意識の変化についても伺いました。

――はじめに貴社の事業内容を教えてください。

吉見さま:弊社は1911年に南九州初のガス会社として鹿児島市に創業しました。
創業以来ガス事業を中心とし、地域の暮らしと産業に欠かせない都市ガスを提供しています。また近年では電気事業や再生可能エネルギーにも進出し、つねにお客様に最適なエネルギーを提案する総合エネルギー企業として歩みを進めています。

ーーAI-OCRを導入する前はどのような課題があったのでしょうか。

山口さま:全社的な業務効率化を背景にデジタル化、DXを推進しており、その1つのツールとしてRPAを導入していました。RPAで定例業務の効率化を進めていたのですが、一部紙での運用が残っている業務があり、その改善策としてOCRの検討を始めました。
検討にあたってはまず自分でインターネットを使って調べ、複数のAI-OCRに目星をつけました。
調べた情報を元に以前から導入していたWinActorと相性の良いAI-OCRは何があるのだろうかとパートナー企業に相談をしながら比較検討をおこないました。

ーー比較検討はどのように実施しましたか?

山口さま:最終的に比較したAI-OCRは2つありました。比較検討に際しては読取精度、操作性、セキュリティ面を軸にトライアルを実施しました。

ーーDX Suite 導入の決め手を教えてください。

山口さま:AI-OCRに求めていたことは、「手書き文字の高精度なデータ化」でした。精度の低いOCRで手書き文字をデータ化すると誤変換も多く、修正作業に時間を取られてしまいます。この手間を少しでも軽減するために精度の高いOCRが必要でした。
そのため検討においては読取精度を一番に重視しており、具体的には90%後半くらいの精度があればいいなと考えていました。
一部の帳票では現場のトライアルの時点でも読取精度は充分に高かったのですが、AIを搭載し定期的にアップデートしているということで、今後も精度は上がっていくものだと思っています。
加えてシステム管理者以外のユーザーが利用することを想定してシステム全体の操作性、特に帳票設定画面や確認・修正画面の使い勝手も見ていました。

山口さま:セキュリティに関しては取り扱う帳票が個人情報を含むものなのでクラウド型のシステムの導入には多少の抵抗がありました。
DX Suite ではデータが暗号化されていることに加え、読み取ったデータを学習に回さない設定にもできるため導入に向けて安心材料になりました。

ーートライアル中のサポートはどうでしたか?

山口さま:サポートは非常に手厚かったです。帳票定義の作成〜データ加工までサポートしてくれました。唯一つまずいたのはデータ加工くらいです。
帳票定義作成の際にはDX Suite の読取モデルの設定をどうしたらよいかなど、ツール特有のノウハウも教えてもらったためスムーズに検証することができました。
トライアル中は導入できるかどうかを見極める段階でしたので私一人で帳票設定〜検証までを実施しました。

ーーDX Suite を活用している業務を教えてください。

桑水流さま:ガス・電気などの契約に関する申込書をシステム入力する事務センターで使用している他、導管部門の保安業務の一部に活用しています。
導管部門とは、都市ガスの導管を管理している部門です。導管部門の保安業務の一つとして、お客様からガス漏れやガスが出ないなどの問い合わせがあった場合の現場対応があります。現場対応時の作業内容は伝票に記入し、帰社後結果をシステムに入力しています。その際にAI-OCRを活用しています。

ーー従来と比較してどのように業務は変わりましたか?

山口さま:従来は申込書や伝票をすべてシステムに手入力していました。
DX Suite 導入後は申込書や伝票を複合機でスキャン→RPAを使いDX Suite へ自動でアップロード→OCR後DX Suite 上で確認・修正→出力されたCSVデータをRPAでシステムに登録という流れで行なっています。
そのため利用者は複合機で帳票をスキャンした後に、読み取った結果が間違っていないかを確認するだけの業務になりました。

ーー今回OCR対象となる帳票はそれぞれどのくらいありますか?

新保さま:時期によって変動はありますが平均するとそれぞれで200件/月程度の入力が発生します。
DX Suite 導入後、申込書の入力業務は14時間かかっていたものが3時間に、導管部門の現場対応時の作業内容の結果入力では1件あたり5分から30秒ほどで作業が終わるようになりました。

ーーDX Suite を活用して利用者の方からはどんな声が上がりましたか?

山口さま:まずは業務が速く楽になったという喜びの声があります。
それ以上に「もっとこういうことができるはずだ」、「この業務にも適用できるのではないか」という判断や要望が現場から上がってくることが増えました。現場ではAI-OCRを使って業務効率化できることがわかったようで、「早くこの業務にも使いたい」と念押しされることが増えましたね笑。
DX Suite を導入したことで社内全体的に業務効率化に対する意識が上がったのではないかと感じてます。

桑水流さま:事務センターの業務がOCRとRPAで効率化され、余裕ができたこともあり、業務の幅を広げることができました。
今ではこれまで行ってきた事務センターの業務だけでなく、新たに他部門の業務にも対応できており、会社全体で業務効率化が進んでいると実感しています。

ーーDX Suite に対する要望があれば教えてください。

新保さま:アップロードした画像を保存する機能があれば非常にありがたいですね。
弊社の事情ですが今でもデータ入力後は紙の帳票を保管しているので、読み込んだPDFを保管できるといいなと思います。

吉見さま:請求書や名刺などフォーマットが決まっていないものも活用したいと考えています。こちらが必要とする項目は定義だけしておけば、AIが自動判別して読み取ってくれると帳票定義の必要もなくていいのではと考えています。

ーー今後の展望をお聞かせください。

山口さま:紙の利用が多い部門からDX Suite を導入していますが、これからはタブレット端末で入力してもらうなど入力時点で電子化されることが増えていくと思います。
現在はタブレットの利用を推進しはじめた段階であり、AI-OCRと並行して検証している状態です。
ただ現時点では紙の量は膨大なのでいろんな部署と相談しながらDX Suite で業務効率化できるところは積極的に行なっていきたいですね。

吉見さま:弊社では経営層が「DXに積極的に取り組もう!」という意識があります。
今後は業務の効率化だけではなく、社内に蓄積されているデータを活用して新しいビジネスモデルを作っていけたらいいなと思います。

さぁ、データ活用を始めよう。
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