KDDI株式会社

通信業者として国内外問わず、法人のお客様を中心にサービスを展開するKDDI株式会社。ゼロにはならない入力業務を自動化するために“AI-OCR導入プロジェクト”が発足。そのプロジェクトが社内にどのような影響をもたらしたのかを伺いました。

IT未経験、入社1年目で“AI-OCR導入プロジェクト”に参加

“入社1年目からプロジェクトに参加しています”
ビジネスサポート部 企画管理グループ 佐藤 様

私は、部署全体の業務効率化を推進するビジネスサポート部の企画管理グループに所属しています。入社1年目から“AI-OCR導入プロジェクト”に参加しており、主に「この業務にAI-OCRを活用したい」という社内の要望に対し、DX Suite を活用するか否かの検証を行なっています。当初はメンバーの一人として参加していましたが、プロジェクトを進めていくうちに、上司の勧めもありプロジェクトマネージャーの役割を担うようになりました。

従来のOCRからAI-OCRへ

2015年に「auでんき」というサービスが開始されました。このサービスは、申込書の登録を人の手で行なうことが前提として始まったため、かなりの工数がかかります。この課題を解決するために、当時の担当者が展示会でAI-OCRを知ったことがきっかけでプロジェクトが発足したと聞いています。当時、従来のOCRを導入していたようですが、読取精度が低く業務に適用できなかったため、このプロジェクトは一度断念してしまったそうです。この話を聞いて、私自身が業務を遂行する中で、人の手で多くの工数をかけて行なっている業務を何とか解決したいと思いました。その時にちょうどAI-OCRの精度が上がっているという情報を得て、2019年7月頃に企画4名+開発2名でプロジェクトが再始動されました。

精度の高さと操作性の良さがDX Suite 選定の決め手

読取精度の高さと操作性の良さからDX Suite を選びました。AI inside を含め合計3社で、読取精度、操作性、後続システムやRPAとの連携が可能かどうかを、約半年かけて比較検討しました。DX Suite に関しては、1ヶ月のトライアルを活用しています。読取精度の高さが特に印象に残っており、他社製品の場合1つの帳票に対して50〜60%が平均だったところ、DX Suite は100%に近い読取精度で驚きました。操作性についても、初回のたった1時間という短いレクチャーで、IT知識がない初心者でも簡単に使うことができたため、業務に適用できると判断しました。

フォーマットの種類が多い帳票でDX Suite を活用

< 申込書(左)、請求書(右)>

受注業務と支払業務において、申込書と請求書に活用しています。

①受注業務
毎月400枚ほど発生するauでんきの申込書は、営業担当からサポートへ自社システムを通して画像データで届きます。営業担当が複合機で画像化し、システムへ手動でアップロードをします。システムとDX Suite をAPIで連携させているので、DX Suite に画像をアップロードする必要はありません。

②支払業務
毎月900枚ほど発生する請求書は、約75種類あります。紙で届いた後、複合機で画像化し、手動でDX Suite へアップロードしています。読み取った後は、DX Suite 上で2人のメンバーがそれぞれ確認しています。請求書は、まず最初にAIが自動で読取箇所を抽出する機能(Multi Form)で試しており、帳票の事情でうまく読み取りができなかった場合は、読取箇所を設定する通常のAI-OCR(Intelligent OCR)で行なっています。

86%の業務時間短縮を実現

一番効果が高かった申込書では、1ヶ月で約42時間かかっていた申込書の入力業務が約6時間になり、86%の業務時間削減を実現しました。活用しているすべての帳票を合わせると、想定削減効果は1ヶ月で136時間です。

社内展開するまでの3つのステップ

社内展開する前の準備を、3つのステップに分けました。

①作業の洗い出し・整理
プロジェクトメンバーが利用者に展開する際に、何が事前準備として必要なのかを洗い出しました。どのような帳票があって、どのような管理方法にするのか、また、導入後はどう支援していくのか、をタイムチャートにしました。

< 実際のタイムチャート >

②運用ルールの取り決め
“AI-OCR事務局”を立ち上げ、利用者からどの帳票でAI-OCRを活用したいかの依頼書をあげてもらうことにしました。事務局側が帳票設定と読み取りを行ない、効果があるかどうかの検証を実施しています。請求書と申込書の依頼が特に多かったですね。

③マニュアル作成
利用者に特化したマニュアルを作成しました。スクリーンショットを貼ったり、ステップに分けてわかりやすいマニュアルを作成することで質問が減るため、早く運用することができます。マニュアル作成時に一番時間がかかったのは、どの工程を詳しく記載するかを選定することでした。使用する頻度が少なければ載せる必要はないので、必須となるDX
Suite へのアップロードとCSVへのエクスポートの工程を詳しく記載しています。

社内展開のポイントは「導入後の効果を提示すること」

利用者が不安にならないよう、導入可否の判断をするために検証を何度も行ない、定量的な面だけでなく定性的な面でも効果を提示することが大切だと思います。読み取りたい項目が少ないからといって、導入する意味がない、というわけではありません。業務によっては人の手で入力する際のミス削減を目的とすることもあり得るからです。また、今までのフローの方が良かったとならないように、「こういう流れでこの期間でこの資料を渡す」「RPAの連携部分までこう考えている」など、ユーザ側がAI-OCR導入後のイメージをしやすいように情報を提供することも大切です。ユーザによっては自分で帳票設定からやりたいという場合もあるので、絶対的な運用ルールは作らず、柔軟に対応するようにしています。

DX Suite の活用がきっかけで「AI-OCRを活用したペーパーレス化」が本部目標に

社内では、「ようやく導入された!早く使いたい!」というプラスの意見と、「前回は導入を断念したけど今回の読取精度は確かなのか?また振り回されるのではないか?」というマイナスの意見に分かれました。しかし、昨今の時代の流れから、自動化せざるを得ない状況であることは多くの人が感じていたこともあり、本部全体の業務改善の年度目標として“AI-OCRを活用したペーパーレス化”が掲げられました。自分が参加していたプロジェクトがここまで大きな影響を与えるとは思っていなかったので、とても嬉しかったです。年度目標がきまったあと、動画を作成しないかと上司から声をかけてもらい、3分でAI-OCRの良さが伝わる動画を作成しました。それを本部全体の約2,000名に見てもらったことで認知度が一気に高まったと思います。注目度が高まる中で、AI-OCRについての質問を他部署からも多く受けるようになりました。本部に限らず、個々人においてもペーパーレス化に対して意識が高まっていると感じています。

“AI-OCR導入プロジェクト”が自分の成長に繋がった

一番大変だったことは、利用者とのコミュニケーションです。帳票のインク汚れや歪み、濃淡が激しいなど、AI-OCRでも読み取りが難しい場合にも、利用者からは「AIだから読めるでしょ」と言われることもありました。また、業務整理をお願いするために利用者だけではなくその周りも巻き込む必要があるため、導入するまでに時間がかかったと思います。私個人としては、過去に断念したAI-OCR導入プロジェクトを実現させ、会社に貢献できたことはとても嬉しかったです。ITに関する知識が全くない自分にできるのか不安でしたが、今となってはとても良い経験をさせてもらい、感謝しています。

AI-OCR×RPAで業務全体の自動化に挑戦

支払業務の請求書において、読み取り後のCSVを後続システムに手動でアップロードしていることが課題として残っていました。そこで、DX Suite とRPAのUiPath、WinActor、VBA(※Visual Basic for Applications)と連携させて業務全体の自動化を目指しています。また、見積書でMulti Formが活用できるのではないかと思い、検証をしています。今後もAI-OCRの活用を社内に広げていきたいと思っています。

※Microsoft Officeに含まれるアプリケーションソフトの拡張機能。利用者が簡易なプログラムを記述して実行することで複雑な処理の自動化などを行なうことができるもの

KDDI株式会社

本社住所:東京都千代田区飯田橋3丁目10番10号ガーデンエアタワー
設立年月日:1984年 (昭和59年) 6月1日
URL:https://www.kddi.com/

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