導入事例
DX Suite がもたらした、膨大なデータ入力作業からの解放
- 会社名一般財団法人 労務行政研究所
- 業界その他
最先端の人事関連テーマを扱う専門家組織が、DX Suite 導入による飛躍的な業務効率化で働き方改革をスピーディーに実現。生産性向上によって生まれた「新たな時間」を、豊かに広げる未来の組織づくりへ。
人事・人材マネジメント領域の最先端の情報を提供する研究所が、みずから先んじて取り組む、働き方改革と生産性向上。
その基軸ツールとしてAI OCR製品『DX Suite』の早期導入・運用を決めた、業務効率化の先進的な取り組みを探ります。
はじめに御社の事業内容についてお話をお聞かせください。
(一財)労務行政研究所では、定期刊行物『労政時報』を通じて人事・人材マネジメント領域での最先端の情報を、企業の人事部を中心とするお客様に向けて提供しています。
現在、政府が旗振りを行う働き方改革では、法律の制定をはじめとするさまざまな環境整備への動きが進んでいます。その背景には、労働力人口の減少や価値観の多様化を受けて、外国人の社員登用や女性活躍推進などを通じ、労働力を総合的に確保していこうとする大きな流れがあり、それは企業の人事部の主要な関心事にもなってきています。
労働力不足を受けて、ここ数年、長時間労働の問題は、より深刻になってきています。働く時間を従来より短くしながら生産性を高めていくにはどうしたらよいのか、また、それにはどんな具体的な工夫が必要なのか、そうした課題に対し、当所が編集する『労政時報』では、取材と調査に基づく記事を掲載しています。具体的には、企業の人事部への取材インタビュー記事、加えて学者・コンサルタント・弁護士など専門家による解説記事、企業の人事担当者へのアンケート調査による記事、それらを通じて、企業の人事労務をめぐる課題解決を支援しています。
AI inside の主力製品であるDX Suite 導入の検討に至った背景をお聞かせください 。
当所による企業の人事部へのアンケート調査は、全国主要企業を中心に、調査票を一斉送付するかたちで実施しています。
このアンケート調査への回答は、多くが手書きで記入いただいた調査票をファックスと郵送で返送いただいています。A3もしくはA4サイズの調査票のなかで、記入いただく項目は多岐にわたります。そうしたアンケートをほぼ毎月行っており、年単位では相当量になる調査票の記入内容を電子データ化の上で集計し記事を作成しております。
そうしたなか、私たちビジネス推進本部では、この膨大な量のアンケート帳票など紙資料のデータ化に際して、RPAなどデジタルツール活用に向けた情報収集は常に行っており、特にOCRでは、実際に当社の業務水準に耐えうるツールをいつも探していました。
DX Suite 導入以前はどういったデータ入力作業が行われていましたか?
DX Suite 導入に踏み切る以前、編集部内ではアンケート調査票1枚1枚を我々社員スタッフが手作業でExcelに入力していました。そのため、1社あたりの入力作業に数十分かかることも多く、アンケート集計期間中には社員数名が掛かりきりになるなど、膨大なリソースを投じて、手書きによる回答記入をデジタルデータ化していました。
DX Suite を選んで導入いただくことに至った経緯をお聞かせください。
2017年の秋頃に、AI/RPA関連の展示会でOCRプロダクトを出展企業各社の間で比較させていただき、他社製品では読み取りの精度が業務に対応できるレベルに達していないと感じられたのに対して、AI inside のDX Suite は元々の読み取り精度が高いと評価できたこと、また、導入後もAIによる深層学習を通じて時間が経つほどに精度が高まっていく可能性があることを高く評価し、将来性に賭ける意味でも早期導入を決断しました。過去、編集部内でも、市販されているOCRソフトでスキャン書類のデータ化を試したものの、実用に耐えうるレベルではないため導入には至らなかったのですが、信頼できるエンタープライズ製品であるDX Suite と出会ったことで、スキャン書類のデータ化による業務効率化の実現可能性が飛躍的に高まったと判断し、編集部のなかでも基礎データとなるアンケート調査票の処理方法を変えていく業務効率化プロジェクトを2017年秋から立ち上げました。
DX Suite 導入に際して、担当者の皆さんからみた使い勝手はいかがでしたか?
通常、こうしたエンタープライズ系のツールでは、システム担当部門で集中的に管理運用することになる場合が多いのですが、DX Suite は、PDFに読み込み項目を割り当てるだけで簡単に処理を進められますので、システムに詳しくない人間でも、10分程度のレクチャーで、すぐに使いこなすことができました。
そのため、デジタルツールを管理する部門以外のメンバーにも、DX Suite 導入の展開が容易に進みました。
結果として、業務プロセス全体に関わるメンバーがそれぞれ各自でDX Suite を使える環境が整いましたので、導入プロセスとして大変素晴らしいものでした。
また個別の製品機能で言えば、これまでの他社のツールではスキャンしたデータはそのまま読みっぱなしで使えないことが多かったのですが、DX Suite ではデータエントリーした項目を操作画面上の目視で確認できる「ベリファイ」機能が、実務の現場にフィットしており、とても素晴らしいと感じています。これまで、手書き書類のデータ化に苦しんでいたスタッフは社内の各部門に大勢いまして、その使いたい全員が容易に使える操作性と信頼性を持っていることが、ツール選定においては非常に重要です。DX Suite は、特定のSEだけが使えるようなハードルの高さもなく、誰でも使いこなすことができ、その点でも現場のメンバーたちから高い評価を得ています。現在、5,6アカウントの規模でDX Suite を社内利用していますが、ゆくゆくは所内でのユーザーをもっと広げて、さらに業務効率を押し上げていこうと考えています。
実際の調査業務のなかでDX Suite を導入してみた感想はいかがでしたか?
読み取り精度は、極めて高いもので、チェックボックス関連の読み取りはほぼ100%正確で、手書き数字の読み取りもほぼ問題なく業務で使えるレベルです。そのため編集部としてもDX Suite には全幅の信頼を置いています。時折り、背景の罫線と重なっている手書き文字や、似たような手書きの数字の読み取りでは、間違えることもありますが、そこはDX Suite のチェック機能でカバーできますし、またAIの学習により今後改善されるものとして楽観的に捉えています。導入から間もない現段階でも、精度の高いDX Suite による編集者への業務負荷の圧縮効果、省力化の効果は、明らかです。
そうしたDX Suite による業務効率化の効果と規模はあまりに大きすぎて、DX Suite 導入前にデータ入力に費やしていた時間を、今から振り返って比較することが困難なほど、業務環境は圧倒的に改善されました。
DX Suite 導入後のカスタマーサポート(CS)はどのように利用されていますか?
システムを新規導入する場合、日々の忙しさに追われて、実業務への組み込み作業が後手に回ってしまうことも多いです。そうしたなか、AI inside のCS担当者は当所の導入状況を先読みして、課題発見と解決へのサポートやアドバイスをいつも事前に行ってくれました。そのためDX Suite の導入は、これまでの他のシステム導入に較べて、はるかにスムースに進行しました。
結果として、先行して導入していたRPA、AI inside のDX Suite、当所の基幹システム、それぞれの連携も短いリードタイムで実現でき、問題なく日常業務に組み込めています。
DX Suite の早期導入によって、貴社のなかでの業務効率化は、どのような新たなインパクトをもたらしていますか?
DX Suite の導入と運用によって、それこそ今はもう思い出したくないような規模の膨大なデータ入力作業から、当所のメンバーたちは開放されました。
そこでは、数千時間相当の業務削減効果が出ているかと思いますが、当所の経営陣の考え方としては、そうしたROIとして数値化できる効果以上に、省力化・業務効率化による生産性向上で生みだされた「新たな時間の使い方」を、より豊かに広げていくことをもっとも重視しています。
それは、たとえばプライベートなライフスタイルの充実についてもそうですし、また当所の新規事業や新製品の開発に積極的にチャレンジすることにも繋がっています。
そうしたさまざまな可能性が、DX Suite による生産性向上を通じて、広がってきています。
最後に、貴社のデジタルトランスフォーメーションの将来ビジョンをお聞かせください。
当所では、所内のメンバー全員でデジタル活用の情報を収集しており、月に一度開催される決定会議の場で、メンバー各自がデジタルツールの情報を持ち寄り共有し、所内全員の意見を踏まえ、デジタル戦略の意思決定を行っています。
他社ではIT担当者がデジタルツール導入を独断的に決めてしまい、のちのち現場スタッフがそのツールの使いにくさに苦労する、というようなこともあるのかもしれませんが、当所ではそうではなく全員の意見を確認した上で、システム導入の決裁が降りる意思決定の仕組みになっています。DX Suite の場合も、各部門からの支持があったので、決定会議メンバーの総意で、導入の決裁が早急に行われました。
当所は、現理事長が就任して以降、時代を先取りする組織へと変革を続けています。AIやRPAを含めたデジタルツールのイベントがあればいち早く皆で参加し情報を取り入れていくスタンスです。世間のスピード感に負けないように、という気概を持ちつつ、我々の専門領域である、業務効率化を進めていかに生産性を高めていくか、というテーマについて、先進的な取り組みをみずから率先して行いながら、最先端の情報を発信していくことも同時に行っていきたいと考えています。