導入事例
人がやるべきことに注力する近道を見つける、3つの検討ポイント
- 会社名株式会社ベルシステム24
- 業界その他
- 毎月届く万単位の注文書の入力と確認を計10人で行っていた
- 入力業務に時間がかかり、会社の強みを活かせていなかった
- 入力と確認合わせて2人で完結できるようになった
- 人がやるべき仕事に注力できるようになった
さまざまなチャネルからの問い合わせを一括でサポートし、顧客体験価値を提供するコンタクトセンターアウトソーシング事業を行なう株式会社ベルシステム24。お客さまとのコミュニケーションに必要不可欠なコンタクトセンター業務に注力するため、DX Suite を導入。その検討ポイントや効果を伺いました。
AI-OCR導入の背景を教えてください。
生産年齢人口が減少している今、当社にとっても人材不足は課題となっています。そんな中、より効率的にオペレーションを運用するため、自動化の取り組みを始めていきたいと思ったことがきっかけです。DX Suite を含め、2018年からAI-OCRの比較検討を始めました。
特に課題だと感じていたことを教えてください。
デジタル化の進み方はお客さまによってさまざまで、やり取りに紙帳票は欠かせない場合もあります。年間約1,000社ほどのお客さまからBPO業務を受託し、毎月万単位で届く紙帳票のデータ化業務に莫大な時間がかかっているため、お客さまとのコミュニケーションに欠かせないコンタクトセンター業務に注力する時間を作りたいと思っていました。
比較検討するにあたり、重要としていたポイントを教えてください。
読取精度、操作方法、料金プランの3つです。精度はもちろんですが、操作方法の簡単さと料金プランは当社では特に重要としていました。全国に36拠点あるコンタクトセンターでは、オペレーションを管理する責任者など、現場のスタッフが実務を担います。そのため、誰でも、簡単に使える操作方法であることが条件でした。
また、お客さまによって帳票が異なるため、数えきれないほどの種類のフォーマットが存在し、フォーマットごとに料金が発生する場合はさらにコストがかかることになります。帳票やフォーマットの種類に関係ない料金プランであることも重要でした。
どのような業務でDX Suite を利用されているのか教えてください。
FAXやハガキで届く注文書のデータ化でDX Suite を利用しています。1ヶ月で最大10,000枚程度発生する注文書を10人で入力し、そのうち2人が入力後に確認をしていましたが、導入後はDX Suite が入力と1回目の確認を兼ねてくれるので、その後の人での確認は1人で済んでいます。結果、DX Suite にセットする人と、確認する人合わせて2人で対応できるようになったため、単純計算で約5倍近くの生産性向上に成功しました。
DX Suite を利用して良かったと思うことがあれば教えてください。
リコールが発生した際、依頼があった翌日にはデータ化しなければいけないケースが頻繁にあります。その場合、専用システムの構築が間に合わず、お客さまから電話で聞いた情報を紙に書いて残していく方法しかなかったため、そのメモをすぐにデータ化できることが嬉しいです。日々の業務においては勿論ですが、そういった緊急の依頼がある度に、DX Suite を導入して良かったと改めて実感しています。
導入後の皆さまのお気持ちや社内の雰囲気を教えてください。
人手が空いたことによって、本来人がやるべきことに注力できるようになりました。導入前は入力業務が多くなり、当社の一番の強みであるコンタクトセンター業務を活かせていなかったことが課題でしたが、導入後は既存のお客さまに電話をかけて追加でオーダーを取るなど、LTV(※)をあげていく活動にリソースを割くことができるようになりました。導入して良かったとプラスの声ばかりで、マイナスの声は出ていません。入力業務の負荷が大幅に減ったことで、働く人の高いモチベーションに繋がっていると思います。
導入を通じてOCRに対するイメージの変化があれば教えてください。
OCRを導入するにはプロセスごとの管理システムに手を加えたり、サーバーの構築からシステム構築までをする必要があると思っていたため、当社のように入力業務だけを行なうことがメインではなく、”一連のプロセスの中に入力業務がある”というような場合には導入が難しいと思っていました。DX Suite はクラウド環境で利用ができ、必要な業務にだけ利用できるので従来のOCRのイメージが変わりました。
製品についてご要望があれば教えてください。
・「時間」の設定項目
すでに今でも読み込めているのですが、より便利さを求めると「◯時◯分」「◯:◯」などの表示方法に関係なく「時間」と設定するだけで数字だけが読めたらより便利になると思います。
・帳票設定をしていなくても仕分けが可能な機能
今は設定した複数の書類の仕分けが可能だと思いますが、帳票数があまりにも多く、何種類あるか把握できないほどです。設定をしなくても仕分けができる機能があればDX Suite の活用の幅が広がると思います。
・個人情報保護シールが貼られているか否かを判別する機能
クレジットカード情報の入力欄に”個人情報保護シール”が貼ってある場合、まず剥がす作業が必ず発生するので、その仕分けをElastic Sorter で挑戦していきたいです。
・非定型対応帳票の追加
お客さまからたくさんの依頼を受けているため、非定型に対応する書類がもっと増えてほしいと思っています。
非定型でどのような種類の帳票があったら便利か教えてください。
一番多いのは、申込書です。1社で800種類もの帳票の種類をお持ちのお客さまもいらっしゃいます。フォーマットが決まっていないものが多く手書きのFAXで届くこともあるため、自動化できたらと思います。
今後の活用展望を教えてください。
今は4拠点で利用していますが、これから拡大していく予定です。お客さまの事業に貢献するため、AI-OCRやRPAを使って効率化を行なっていきたいです。電話やテキストといったリアルなコミュニケーションからデジタルに情報を移して伝えていく弊社と、画像から情報を抽出して情報を伝えていくAI inside には親和性を感じているため、今後のAI inside に期待しています。
※顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益(顧客生涯価値)