導入事例

2020.03.03
ソフトバンク株式会社

月200時間の削減に成功。ひらめきが生んだサクセスストーリー

ソフトバンク株式会社
  • 会社名
    ソフトバンク株式会社
  • 業界
    その他
対象帳票
落とし物通知依頼書
before
  • 毎月届く6,000件の帳票を10人で手入力
  • 個人情報を扱う書類のため、導入できるサービスは限られていた
after
  • 1名で完結できるようになった
  • 業務プロセスを見直したことで、クラウドサービスも導入可能に

携帯電話に関わるサービスの提供や、ネットワーク回線の提供などの通信事業を行なっているソフトバンク株式会社。AI-OCRとRPAを導入し、コールセンター業務の効率化を実現。個人情報を取り扱う企業ならではの課題をどう解決に導いたのか、その方法を伺いました。

はじめに、皆さまの業務内容を教えてください。

私たちは、全国に約13拠点あるコールセンターの管理を行なっているセンター統括部で、メインの業務であるコールセンターの教育や運営管理と、携帯電話の拾得連絡の業務を担当しています。拾得連絡に関しては、警察署からFAXで届く携帯電話の「落とし物通知依頼書」の転記業務を25名ほどいるチームの中から毎日10名が交代で行なっていました。

AI-OCRの検討背景を教えてください。

バックオフィス業務の中でも、1番多く発生する「落とし物通知依頼書」の転記業務を効率化するためにAI-OCRの導入を検討していました。

依頼書は携帯電話を落としたお客さまを特定して連絡をするための書類で、ICチップの番号などが書かれており、毎月6,000件ほど届きます。届いたその日にすべて入力できればいいのですが、週末の分は月曜日にまとめて届くため、1日で入力が終わらないこともあります。その場合は次の日に持ち越し、入力業務が増えていく一方でメインであるコールセンター業務に注力できていませんでした。
また、人が入力していると処理のスピードに個人差があるため、お客さまへのご連絡が遅くなる可能性があることも課題でした。

DX Suite をご採用いただいた理由を教えてください。

RPAを推進している部署からの紹介でDX Suite を知り、他社と比較した結果、読取精度が格段によかったこと、すでに使用していたWinAcorとの連携が可能なことが決め手でした。特に精度の高さに関しては、40枚ほどの書類で検証をした結果、人が見てもわからない文字もある中で、約97%の正確さで驚きました。

導入するにあたり、課題となったことがあれば教えてください。

お客さまの個人情報を扱う場合、当社の決められたネットワーク環境でしか業務が行なえず、外部との通信を行なうクラウドサービスは入れられません。そのため、システムから構築するオンプレミスサービスを検討しましたが、費用と時間がかかるため断念しました。

しかし、少しでも早く業務効率化をするために、この業務は本当に決められた環境でしか行なえない業務なのか、プロセスを見直すことはできないのかを社内のセキュリティ担当に相談しました。担当者は業務効率化につながるAI-OCR導入に前向きで、DX Suite の費用対効果や精度を説明したところ、約2週間後に導入の利用承認がおりました。

当社のセキュリティの関係で、ダウンロードしたCSVをそのまま社内の専用システムに入れることができないため、CSVをさらに加工する必要があります。そのため、当社でDX Suite からダウンロードしたCSVを”専用システムに入れるために加工をする”というシステムの開発をすることを条件に、クラウドサービスの導入を可能としました。

DX Suite とRPAをどのように使用されているのか教えてください。

これまでは届いた書類を手入力でデータ化して専用システムへ入れていたため、すべて人の手で行なっていました。現在は、DX Suite でデータ化したCSVを当社が開発したシステムに入れた後、RPAで専用システムに入れています。この仕組みでセキュリティを守りつつ、自動化ができています。

導入後の効果を教えてください。

1日200件の依頼書を届いたその日のうちに入力完了させることを目標にしており、従来はオペレーターが10人で行なっていましたが、導入後は1人で完結させることができています。AI-OCRとRPAを活用し人の手で行なう業務がなくなったことで、ミスが格段に減り、肉体的疲労、精神的疲労も軽減できて気持ちがとても楽になりました。

月200時間の削減ができたおかげでコールセンター業務に注力でき、お客さまへのご連絡が早くできるようになったことも導入効果の1つだと思っています。

実際に利用して、機能面で良かったと思うことがあれば教えてください。

大量の書類を一気に読み取れるところが良いですね。書類の量で読み取り時間に差があるのかと思いましたが、50枚と100枚の差であればスピードも変わらないことに驚きました。
また、DX Suite の画面上の項目などの配置がわかりやすく、確認のときもPDF画像と読み取り結果が1画面で出てくるため、とても楽でしたね。以前は実際の書類とPCを見比べていたので確認業務も大変でした。

今後AI inside に期待することやご要望があれば教えてください。

OCRとは異なりますが、読み取ったデータが自動で指定のフォルダに入るようになったら便利だと思います。また、読み取りが完了したらメールが届くなど、通知の機能が欲しいです。DX Suite を導入したことで、業務を自動化した効果を実感できたので、ボタン1つ押す作業も自動化できたらいいなと思うようになりました。

今後の活用展望をお聞かせください。

経理業務に活用していきたいです。請求書を受け取ったらそれをPDFにしてそのまま入力を委託していたので、Multi Formで請求書の読み取りに挑戦したいと思います。他にも、携帯電話の支払方法の変更など、印鑑が必要な書類は紙で運用しているので、DX Suite でさらなる業務効率化を目指します。

さぁ、データ活用を始めよう。
question_mark
close