導入事例

2020.12.01
株式会社サカイ引越センター

紙文化が残る業界で劇的な変化!AI-OCR導入でデジタル化を加速

株式会社サカイ引越センター
対象帳票
見積依頼書, アンケート, 出張申請書, 運転記録証明書
before
  • 6,000人規模の現場社員が手作業でデータ入力
  • 深刻な人手不足の中で業務の効率化が急務
after
  • 「劇的に業務が減った」と現場が実感
  • 重要な業務へ集中できるようになり、さらなる品質向上につながった

7年連続で売上高が業界ナンバーワンである、創業50年目のサカイ引越センター。会社の方針として、引越だけではなく、新生活を応援する会社として新たな一歩を進めるために事業を展開しています。紙の文化が根強い引越業界で、時代と顧客の変化から遅れないため、AI-OCRを導入。DX Suite を採用した理由や、導入後の現場からの感想について、お話を伺いました。

皆さまの業務内容を教えてください。

木下さま:私は総務部に所属しており、これまで手作業で行なってきた業務をシステム化することに取り組んでいます。その他にも、庶務的な備品の管理や航空券の手配、寮の手配、労災事故などの管理も行なっています。

笠原さま:木下と違い、私は経営企画に所属しています。同じく業務の効率化に取り組んでおり、「人を介すのではなく、仕組みとシステムでより良い環境を会社に広める」というテーマを掲げています。他にも、売り上げやマーケティング業務の効率化や管理を行なっています。弊社代表の言葉を借りると、「攻めの経営企画と守りの総務」という役割分担になっています。

AI-OCR 導入の背景を教えてください。

木下さま:近年、働き手がどんどん減っていく中で、より生産性を上げていかないと業界で生き残っていくことができないという危機感があります。特に、運送業界ではドライバー不足が本当に深刻で、「新生活シーズンの2, 3月はドライバーがいなくて引越難民がでる」というニュースを見たこともあると思います。そこで、これまでマンパワーでやっていたところを少しでも仕組みやツールに置き換えて、より重要な業務に集中できるような環境を作ろうと考え始めました。こうした背景から初めに取り組んだのが、電話やファックスが中心であったアナログな受注の効率化です。ホームページで簡単に見積もりが出来たり、公式LINEアカウントから見積依頼が出来たりするようになりました。インターネットが普及し、ますます便利になる変化の中で感じたのが、「私たちもこの変化についていかないと、お客様を失ってしまうのではないか」ということでした。そこで社内業務のデジタル化、紙ではなくデータ上で処理できるようにすることで、変化に対応していくことになり、その中でOCRやRPAの導入を検討するようになりました。

比較検討はどのように実施されたのでしょうか。

木下さま:NTTビジネスアソシエ西日本様の紹介で知ったDX Suite を導入する前に、実は他社ツールをすでに一部で導入していました。ただ、そのツールがなかなか応用が利かない、つまり簡単に設定が変更できないという課題がありました。他にも、扱い方が複雑でマニュアルを読んでもよく分からず……。そこで、別のOCRサービスを何社かトライアルを行なって比較検討をすることになりました。重視していた点はやはり手書き文字の読取精度です。また、実際にOCRを扱うのは現場でITに強くない事務員やパートの方であるため、扱いやすさと設定の柔軟さもポイントでした。

笠原:OCRの実務を担当する現場社員に、DX Suite を実際に触らせたところ、「こんなに楽なものはない」「非常に使いやすい」という声が多かったのが印象的でしたね。PCに詳しくない社員でも簡単に運用できることを目の当たりにして、導入を即決しました。

DX Suite をどのような業務で活用されているのか、教えてください。

笠原さま:DX Suite で読み取っている帳票は、法人向けの見積依頼書やお客様のアンケートハガキです。また、所属長の印鑑が必要な出張の申請書や運送ドライバーの運転記録証明書などの社内の帳票も読み取っています。これらの帳票をまとめてデータ処理する部署はないため、ドライバーや営業職含めた6,000人規模の従業員の帳票類や、受注データを全国で入力をしていました。以前はその業務に手間と時間がかかっていたのですが、DX Suite でずいぶん楽になりましたね。特に繁忙期の2、3月は法人からの受注数が大きく増え、1つの営業所に1日300枚、多いときは500枚もの見積依頼書がファックスで送られてきます。この時期は、現場の机の上にはものすごい量の紙の山ができてきます。対象帳票の書類全体の枚数であれば、年間で78万枚ほど発生しているため、これらのデータ化を順次OCRで効率化しているところです。

DX Suite 導入後の感想についてお聞かせください。

木下さま:2020年8月で導入から8ヶ月ほど経ちましたが、想定以上に活用が広まっている印象です。最初は不慣れなところもあったと思うのですが、「こんな便利なツールがあるよ。こんなことにも使えるよ」という便利さの認知が広がっていくことによって、本社では一気にかなりの枚数をDX Suite で処理するように変わっていきました。ただ、すべての事業部ではまだ浸透していません。導入が進んでいるのは業務が集約しがちな大きな営業所本部(北日本、東日本、中日本、西日本、九州)であり、そこの担当者からは「使いやすい」という感想をもらっています。

笠原さま:経営企画部では、全国の本部へ月に一回は足を運んでいます。その時に実際の従業員の業務を把握して、「その業務にはこのツールが使えるよ」とその場で実演するのですが、DX Suite は一度使ってみるとその便利さがよく伝わりますね。やはり、使ってみてからの浸透度は早かったな、と。

木下さま:業務で1番変わったのは、お客様からのアンケートハガキの処理ですね。これまでスタッフがすべて手入力でデータ化をしておりまして……。具体的にどれだけ業務時間が減ったかは集計していないのですが、「本当に劇的に業務が減りました」という言葉をもらっています。当初は、お客様からの見積もり依頼を迅速に対応するためにDX Suite を導入していたのですが、今はお客様からのお言葉をデータ化し、さらなる品質向上に使うような状況に変わりました。

今後の展望を教えてください。

笠原さま:これまで弊社では、拡大路線でずっと売上が上がってきていました。しかしコロナ禍という状況下で、いつどういった状況にも対応できる業務体制を構築して行く必要があります。事業内容的に、急にリモートワークに移行することは不可能ですが、DX Suite のようなツールを積極的に活用して、業務をどんどん改善していこうと考えています。こうした業務の効率化と最適化を図るなかで、より従業員の負担が減り、最終的にお客様の満足度、そして従業員の満足度も向上することができればいいですね。

AI-OCRの導入を検討されている企業様へのアドバイスをお願いします。

笠原さま:導入までのイメージと導入後のイメージは劇的に変わります。使い方次第で、何通りもの活用シーンがあるのだな、と感じました。時代と顧客の変化に企業は遅れてしまう訳にはいきませんので、DX Suite のような良いツールが手元にある状態は有利だと実感しております。

さぁ、データ活用を始めよう。
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