リース車両の管理を行なっている株式会社ナルネットコミュニケーションズ。FAXで届く帳票の業務効率化を図るために導入した、AI-OCRとRPAの活用方法やその効果を伺いました。

システムを活用した業務効率化が急務

永冶さま：テレワークの導入といった時代の流れに伴い、効率よく生産性を高めることが全社的に求められています。しかし、社内ではあらゆる帳票がFAXで届くため、入力業務はすべて人の手で行なっていました。新しい人材の採用には限りがあり、根本的な解決にはならないため、システムの導入が急務でした。DX Suite は元々総務系のシステムでコンタクトがあったグラシアス様からの紹介で知りました。とにかく業務を何とかしたいという思いが強く、RPAのRobo-Patと一緒に導入しています。AI-OCRを実際に試したのはDX Suite が初めてで、読取設定の簡単さに驚いたことを覚えています。

AI-OCR×RPAで月間20万円の人件費削減に成功

小野川さま：現在は整備工場から届く2種類の帳票で活用しており、それぞれ毎月2,000〜3,000枚の帳票がFAXで届きます。DX Suite から書き出したCSVをRPAでエクセルに変換し、基幹システムに自動で登録できます。

①委託受領書
読取項目は管理番号が記載されている2箇所のみです。管理番号は基幹システムと紐付けられており、エントリーを利用して1日4〜5人のパートさんが交代で1人ずつDX Suite を使っています。クラウドのDX Suite は自宅でも使えるため、パートさんもテレワークで対応できています。

②マイカーリースの実施報告書
この帳票に関しては、私がDX Suite を使用しています。68箇所の項目を読み取っており、毎日使っているとどこが読めないのか大体わかるため、エントリーは利用せず、エクセル上で修正しています。文字が潰れているなどの理由で全体の2割くらい修正してる感覚です。

永冶さま：現在は①と②を合わせて、毎月20万円ほど人件費削減ができています。帳票の量は今後増えていくので、さらなる削減効果が期待できます。

DX Suite で人的ミスを防ぐ

小野川さま：どんなに注意を払っていても、人的ミスは起こるものなので、防ぎようがなく困っていました。DX Suite を使うことで人による二重チェックが必要なくなったことが変化としてとても大きいと思います。また、AI-OCRですべてができるわけではないことを実際にDX Suite を使用しているパートさんに理解してもらっているため、導入後も問題は起きていません。

動画やマニュアル作成で全社展開を促進

小野川さま：今後DX Suite を全社展開するために簡単な動画を自分で作成し、社内の掲示板にアップしました。その後、どのような帳票に活用したいかアンケートをとりいくつか回答をもらったので、従業員が現状の業務に課題を感じているのだと改めて感じました。

永冶さま：現在、車検証での活用を検証しています。背景に模様がある車検証も全てFAXで届くため難しいかもしれないですが、複数の部署で扱う帳票なのでシステム導入は必須だと思っています。また、操作が簡単であるためマニュアルは作っていないのですが、全社展開するにあたり今まさに作成中です。

DX Suite への要望

永冶さま：帳票の仕分け機能（Elastic Sorter）だけで使用できたら良いですね。弊社では、仕分けた後にそのままAI-OCR（Intelligent OCR）で読み取りたい帳票と、紙のままで業務に使用したい帳票があるため、それぞれ切り離して使用できたら活用の幅が広がると思います。

様々な方面でのデジタル化を推進

永冶さま：Web受付やオンライン用の名刺交換など、様々な方面でデジタル化を進めたいと思っています。また、整備工場からくる電話での問い合わせにも対応する必要があるので、音声をテキストデータ化し、そのデータからFAQを作りたいと思っています。他にもAIを活用したサービスをAI inside にたくさん作ってもらえることを期待しています。